[アンカラ/カイロ 4日 ロイター] - トルコ、エジプト両国は4日、双方が10年ぶりに大使を任命したと発表した。
両国は2013年に関係が断絶した。エジプトでその後大統領になったシシ国防相が主導する形で、トルコが支援していたイスラム組織「ムスリム同胞団」のモルシ大統領をクーデターで追放したことが原因だった。
ただ2021年にはトルコがエジプトやアラブ首長国連邦(UAE)、イスラエル、サウジアラビアとの関係改善を模索する中で、エジプトと外交部門の高官同士で協議を開始。昨年カタールで開催されたサッカーワールドカップでシシ大統領とトルコのエルドアン大統領が握手を交わした後、雪解けムードが加速した。
そして今年5月、シシ氏とエルドアン氏が国交回復に向けた取り組みを進めることで合意し、今回の大使任命につながった。
トルコのフィダン外相は、大使任命を関係正常化への重要な節目だと評価した上で「今後両国関係は政治や経済をはじめとするあらゆる分野で急速な改善が続く。これがわが大統領と政府の意思だ」と語った。
両国には幾つか外交上の懸案も残っている。リビアでそれぞれ反対の陣営を支援していることや、豊富な天然ガスが眠る東地中海の領海を巡る問題などだ。