[エルサレム 10日 ロイター] - イスラエル国会は10日、ネタニヤフ政権による司法制度改革の一環として最高裁判所の権限を制限する法案を第1読会で審議し、賛成多数で承認した。
成立には第2、第3読会での可決も必要。右派や宗教政党で構成する連立与党は定数120の国会で64議席を握る。
政権が進める司法制度改革は前例のない規模の抗議活動を引き起こし、西側諸国の間でもイスラエルの民主主義を巡る懸念が浮上、国内経済にも打撃を及ぼしている。11日には各地で抗議活動が呼びかけられており、混乱が広がる見通しだ。
ネタニヤフ氏はヘルツォグ大統領の仲介による与野党協議のため改革をいったん延期していたものの、協議は6月に決裂し、与党は立法手続きを再開した。
法案は政府や閣僚、選挙で選ばれた当局者の決定を不当と判断して無効にする最高裁の権限を制限する内容。委員会で今後再び審議され、最終採決の前に修正される可能性もある。
反対派は司法の監視が汚職や権力乱用の防止につながると主張。一方、推進派は裁判所の介入を抑制することで効果的な統治が促進されるとしている。