[国連 13日 ロイター] - 国連安全保障理事会は北朝鮮によるミサイル発射を受け、13日に緊急会合を開いた。会合には北朝鮮代表も異例の出席をし、発射の正当性を主張した。
北朝鮮は12日、ミサイル1発を東へ向けて発射。北朝鮮の国営メディアは、大陸間弾道ミサイル(ICBM)「火星18」の発射実験を行ったと伝えた。
北朝鮮のキム・ソン国連大使は安保理で、ICBMの発射は「敵対勢力の危険な軍事的動向を抑止し、自国の安全を守るため」の自衛権行使だと主張。「米国とその追随国による安保理会合招集を断固として拒否し、非難する」と述べた。
外交筋によると、北朝鮮代表が安保理会合で核・弾道ミサイル計画について発言するのは2017年12月以来。
安保理は過去数年間、北朝鮮対応を巡って対立してきた。中国とロシアは米韓による合同軍事演習が北朝鮮を刺激していると主張。一方、米国は中ロが北朝鮮への制裁強化を阻止することで同国の動きをあおっていると非難している。
米国のジェフリー・デローレンティス国連次席大使は「安保理が声をそろえて発言することをロシアと中国が妨げてきた」と指摘。
また、米国は外交に注力しており、北朝鮮に繰り返し対話を求めてきたとし、対話に前提条件はなく、北朝鮮が関心を持ついかなる議題についても話し合う用意があることを明確にしていると述べた。
北朝鮮が米国の申し出に応じていないとした。
中国の張軍国連大使は、朝鮮半島の非核化と対話による問題解決に尽力していると述べた。現状について「緊張状態」と表現し、これまで以上に対立的になっているという認識を示した。
また、北大西洋条約機構(NATO)首脳が今週発表した共同コミュニケを非難。「中国は問題を起こさず、問題を恐れることもない」とし、主権や領土の一体性を侵害し、中国の発展と安全保障上の利益を損なうような行為に対して断固として対応する用意があると表明した。
NATOはコミュニケで、中国が「野心と強圧的な政策」でNATOの利益、安全保障、価値観に挑戦していると指摘した。