[ブリュッセル 18日 ロイター] - ブリュッセルで開かれた欧州連合(EU)と中南米カリブ海諸国共同体(CELAC)の首脳会議は18日、政治・経済協力の強化を盛り込んだ宣言を採択した。ただ、ロシアのウクライナ侵攻を巡っては立場の違いも浮き彫りになった。
EUのミシェル大統領は「中南米、カリブ海諸国とEUの関係に前途有望で明るいページが開かれつつある」と述べた。
各国首脳は民主主義や人権、法の支配といった価値観を共有する立場を表明した。一方、ウクライナを巡ってはEUがロシアによる侵攻を明確に非難することを求めていたものの、最終的な宣言でロシアへの言及はなかった。戦争でインフレが加速し、エネルギー・食料不安が高まっているなどとして「深い懸念」を示すにとどまった。
EUが中南米との連携を強化する背景には、ロシアを孤立させ、中国への依存を減らすため供給網の多様化を図る中で、エネルギーや重要資源の新たな供給元を模索する狙いがある。
EUは首脳会議に合わせ、チリと重要資源分野で、アルゼンチンとウルグアイとはエネルギー協力に関する合意を結んだ。
フォンデアライエン欧州委員長は、EUがメルコスル(南米南部共同市場)との自由貿易協定(FTA)交渉とメキシコとの貿易協定見直しを巡る交渉を向こう数カ月で終えることを確信していると述べた。