[メキシコ市 18日 ロイター] - 在メキシコ中国大使館は18日、麻薬鎮痛剤「オピオイド」の一種「フェンタニル」の原料となる化学物質は中国から密輸されていないと表明し、米当局の主張を否定した。
大使館は声明で、中国では違法薬物の原料の密輸を防止する措置が講じられていると説明。中国は薬物原料の監視についてメキシコと「積極的に調整し、強化している」とした。
中毒性が強いフェンタニルは米国の薬物過剰摂取の問題に拍車をかけている。
中国大使館は声明で、米国が国内対策を取らないのは責任回避だとし、「米国におけるフェンタニル危機の根源は米国自身にある」と指摘した。
米麻薬取締局によれば、フェンタニルとその原料は中国からメキシコ、米国、カナダに国際郵便などで密輸されている。バイデン政権は流入を食い止めるため、メキシコと中国に協力を求めている。
中国は4月の声明で、メキシコへのフェンタニル密輸を否定したが、原料となる化学物質については触れていなかった。
在メキシコ米国大使館とメキシコ外務省はコメント要請に応じていない。