[サンパウロ 2日 ロイター] - ブラジル中央銀行は2日の金融政策委員会で、政策金利を50ベーシスポイント(bp)引き下げ、13.25%とした。大方のエコノミストが予想していたよりも大幅な利下げで金融緩和サイクルを開始した。同様の幅での追加利下げも示唆した。
ロイターのエコノミスト調査では46人中36人が25bpの利下げを予想していた。50bp幅の引き下げ予想はわずか10人だった。
中銀は声明で「シナリオが予想通りの展開となれば、委員会メンバーは全会一致で今後数会合における同規模の追加引き下げを予想する」とし、向こう数カ月にわたり利下げのペースを維持する意向を示唆した。
今回の利下げ幅については委員5人が50bp、4人は25bpを支持し、見解が分かれた。
ブラジル中銀はインフレ抑制のため計1175bpの利上げを実施した後、昨年9月以降は金利を据え置き、今回3年ぶりに引き下げに踏み切った。
キャピタル・エコノミクスの新興市場チーフエコノミスト、ウィリアム・ジャクソン氏は顧客向けメモで「比較的ハト派のトーンは政策当局者のインフレを巡る懸念がわれわれの予想より早期に解消されつつあることを示している」と指摘し、「利下げはさらに前倒しされる」との見方を示した。年末時点の政策金利予想は11.75%とし、従来の12.50%から修正した。
7月前半の消費者物価指数は前年比で3.19%上昇となり、中銀目標の3.25%を下回った。
中銀は2023年のインフレ率予想を6月に示した5.0%から4.9%に下方修正した。
中銀は今回の利下げについて、24年と25年を含む金融政策運営の今後の期間においてインフレ率を目標水準に低下させるという戦略に沿っていると説明した。
24年と25年の中銀インフレ目標は3%。中銀はインフレ率が24年に3.4%、25年に3.0%になるとの見通しを示した。