[桃園(台湾) 18日 ロイター] - 台湾の頼清徳副総統は18日、米国を経由した南米パラグアイ訪問から台湾に戻った。
頼氏は台湾帰着後に空港で「皆の懸命な努力のおかげで台湾の力はますます強くなり、国際社会に台湾が善良な力であること、国際社会が台湾に大きな関心を寄せていることを示した」と述べ、訪問を支援した台湾市民に謝意を示した。
頼氏は、台湾と正式な外交関係を維持している数少ない国の一つであるパラグアイの新大統領就任式に出席。往路でニューヨーク、復路でサンフランシスコを経由した。
<中国の反応警戒>
台湾当局者からは、頼氏の米国立ち寄りを非難する中国が週内に台湾周辺で軍事演習を行う可能性もあるとの指摘が出ていたが、今のところ台湾周辺で中国軍の異常な動きは報告されていない。
しかし17日、日本の防衛省は、中国とロシアの海軍艦艇計11隻が沖縄本島と宮古島の間を通過して太平洋・東シナ海に向かったと発表した。宮古島は台湾の東に位置し、沖縄には米軍の基地がある。
この地域の安保計画に詳しい人物はロイターに、中ロの艦艇が沖縄駐留米軍への攻撃シミュレーションや戦略拠点の制圧訓練を行ったと語った。17日夕方時点で、米空母「ロナルド・レーガン」打撃群が台湾東岸沖約1500キロメートルの場所にいたという。
日本の防衛省は「中国とロシアの艦隊がそうしたシミュレーションをしたかどうかは承知していない。日本の領海には侵入しておらず、危険な行為は確認していない」と述べた。日本周辺の海空域で中国軍とロシア軍が共同行動を繰り返していることについて、外交ルートを通じて安全保障上の観点から重大な懸念だと申し入れたとした。
ロシア国防省は18日、中ロの艦艇が「対潜水艦訓練を実施」したと説明。仮想敵の空襲の撃退、海上救助訓練、艦艇からの離着艦訓練を実施したとしている。
台湾国防部(国防省)の公式通信社は18日、戦闘機が発進したりミサイルを準備したりする動画を「何人たりとも、われわれの主権を侵すことはできない。台湾軍は地域の平和と安定の維持を義務とする」という字幕付きで公開した。