[バンコク 21日 ロイター] - 5月の総選挙で第2党となったタクシン元首相派のタイ貢献党は21日、首相選出投票を翌日に控え、親軍派を含む11政党から成る連立結成を発表し、選挙公約を果たすと表明した。
総選挙で第1党だった革新系の前進党が首相選出に失敗するなど、長引く政治空白の打開に向けた一歩となるが、主義主張の異なる政党が手を組む連立が新たな不安定を生む可能性が懸念される。
議会は22日に、貢献党が擁立したセター氏(60)の首相選出を巡る採決を行う。
貢献党のチョンラナン・シーケーオ党首は会見でセター氏の首相選出を確信していると表明。連立参加政党への閣僚ポストの割り振りも明らかにし、「経済の立て直しに早急に取り掛かり、政治、経済、社会の安定のためのメカニズムを発展させる政策を打ち出さなければならない」と述べた。
連立には、2006年と14年のクーデターの背後にある軍幹部が創設した政党が含まれる。20日の世論調査では、親軍派政党を含む連立政権構想に反対との回答が大半を占めた。
チョンラナン党首は、連立内の相違を認める一方で、ライバル政党は政権樹立を遅らせないという義務を国民に対し負っていると指摘した。
連立政党所属議員は314人。首相に選出されるには上下両院の過半数である375議員の支持を確保する必要がある。