[11日 ロイター] - トランプ前米大統領は11日、パレスチナ自治区ガザを実効支配するイスラム組織ハマスが7日に行ったイスラエルへの攻撃に対し、イスラエルのネタニヤフ首相が準備不足だったと批判した。
FOXニュースに対し、「(ネタニヤフ氏は)準備ができていなかった。トランプ政権下なら準備する必要はなかっただろう」と語った。
トランプ氏はこの日、フロリダ州での支持者集会でもイスラエルの安全保障体制について再びコメントし、いくつかの不備を指摘。「彼らは是正しなければならない。非常に大きな勢力、イランと戦っている可能性があるからだ」と語った。
また、ハマスと同様にイラン支援下にあるレバノンの武装組織ヒズボラを「非常に賢い」と評した。
ホワイトハウスのアンドリュー・ベイツ報道官はこの発言を「危険で常軌を逸したもの」と呼んだ。共和党内の反トランプ派からも、危機的状況にある同盟国を批判したことに非難の声が上がっている。
トランプ氏は2024年の大統領選に向けた共和党の候補指名争いでリードしている。
トランプ氏の有力対抗馬と目されているロン・デサンティス・フロリダ州知事はこの発言を批判。「大統領選に立候補している人物が、友好国で同盟国であるイスラエルを今非難するとはばかげている」とソーシャルメディアに投稿した。
イスラエルのカルヒ通信相もテレビ番組で、前大統領ともあろう人物がプロパガンダを支持し、イスラエル兵士と市民の精神を傷つけるようなことを発信するのは恥ずべきことだ」と語った。
トランプ氏とネタニヤフ首相は、トランプ氏が大統領だった時期には親密な関係にあったが、その後は関係に亀裂が入っている。