Alexander Cornwell
[アブダビ 30日 ロイター] - 欧州連合(EU)欧州委員会のフクストラ委員(気候変動対策担当)は30日、地球温暖化対策を巡る国際的合意の必要性が「かつてないほど高まっている」にもかかわらず、地政学的な環境が厳しさを増し、国際協調がかつてないほど難しくなっているとの認識を示した。11月末にアラブ首長国連邦(UAE)の首都アブダビで開催される国連気候変動枠組み条約第28回締約国会議(COP28)の予備会議の場でロイターに語った。
フクストラ氏はCOP28について、再生可能エネルギーの利用拡大など意見対立の少ない問題でだけ合意し、化石燃料からの脱却など難しい問題の解決を怠るようなら、EUとしては受け入れられないと明言。「アラカルトのメニューではない。メニューに載っている全てに対処する必要がある」と語った。
ウクライナと中東での紛争、米中間の緊張継続などから、国際的な合意は難しさを増している。加えて、EUは国家補助金の恩恵を受けた中国の電気自動車(EV)について関税導入の是非を検討しており、EUと中国の間でも緊張が高まっている。