Gabriel Stargardter Lisandra Paraguassu
[リオデジャネイロ 9日 ロイター] - パレスチナ自治区ガザを巡り、イスラエルとブラジルの関係が冷え込んでいる。イスラエルの対外情報機関モサドがイスラム教シーア派組織ヒズボラによるブラジルでの攻撃阻止に協力したと表明し、これにブラジル側が強く反発、両国関係を一段と悪化させる事態となった。
ブラジル警察当局は8日、国内で攻撃を計画していたとしてヒズボラの2人をテロ容疑で逮捕した。モサドはブラジル警察に公に謝意を示した上で、「ガザにおける戦闘を背景に」ヒズボラはイスラエルやユダヤ人、欧米の標的を攻撃し続けていると指摘した。
モサドのコメントに怒ったブラジルのディノ司法相は9日、ソーシャルメディアで「ブラジルは主権国家であり、外国勢力がブラジル連邦警察に命令することはない」などとして、イスラエルを非難した。
「適切な国際協力は歓迎するが、外国機関がわが国の警察組織に命令したり、わが国の捜査を政治的に利用したりすることは拒否する」とし、今回の捜査は「海外の紛争とは何ら関係がない」と述べた。
ガザには依然として30人ほどのブラジル人が取り残されており、ブラジルは解放が進まないことでイスラエルへの怒りを募らせているという。