欧州中央銀行(ECB)は4日、金融機関への資金供給の担保としてギリシャ国債を受け入れる特例措置を解除すると発表し、ギリシャリスクが再び懸念が台頭。また、2月に入り反発基調が続いていた原油価格がこの日、米石油在庫の増加を受け5営業日ぶりに反落したことも合わさり、グローバル株式市場ではリスク選好ムードが後退。欧米及び主要な新興国株式市場は強弱まちまちの展開となった。
根強いギリシャリスクを背景に外為市場では再びユーロ売りの展開に。ユーロ円は133円割れ、ユーロドルは再び1.13を視野にユーロ安が進行した。また、原油価格の反落を背景に資源国通貨も前日とは打って変わって軟調な地合いとなり、USD/CADは1.25台を上抜け1.2600手前まで上昇。AUD/USDは0.7800レベルから0.7750レベルまで下落する展開となった。豪ドル円も91円割れの展開となる等、クロス円を中心に円高圧力が強まったことで、ドル円は117.07レベルまで下落。その後の戻りも限定的で、117.20前後で推移したまま本日の東京時間を迎えている。
昨日発表された1月の米ISM非製造業景況指数は56.7と、新規受注と景気指数がけん引役となり半年ぶり低水準だった前月の56.5から上昇した。マーケットでは目立った反応はなかったものの、直近の冴えない指標データに追随する結果となれば、米ファンダメンタルズ改善期待が後退し、昨日のグローバル市場はリスク回避ムードが強まっていた可能性が高い。ただ、製造業/非製造業ともに構成項目の雇用指数が悪化(製造業:56.0→54.1、非製造業:55.7→51.6)していることを考えるならば、リスク選好回帰の最後のピースとしての米ファンダメンタルズ改善期待を再び台頭させるためには、少なくとも明日の1月雇用統計を待つ必要があろう。
だが、リスク選好回帰の材料がそろいつつあることは昨日のレポートでも指摘した通り。昨日の外為市場では、ギリシャの資金繰り懸念を背景にギリシャ債&ユーロ売りが再燃したが、ギリシャ金融株がけん引役(ピレウス銀行20.8%、ユーロバンク10.7%高)となり、アテネ総合指数は前日比0.9%高と底堅い展開に。独連邦債でもヒステリックな反応は見られず。金融支援を巡り今後も紆余曲折はあるだろうが、昨日の欧州マーケットの動向を鑑みるに、投資家はギリシャリスクの後退を予期していることがうかがえる。また、不安定な値動きが続く原油価格でも徐々に底打ち感が強まっており、最後のピースが当てはまれば、2月上旬のリスク選好回帰が現実味を帯びてこよう。
<テクニカル分析-ドル円、引き続きダウンサイドリスクを意識>
レジスタンス
118.50:オファー、上にストップ
118.30:一目/基準線(黄ライン)
118.20:上にストップ
118.00:オファー
117.90:21日MA(赤ライン)
サポート
117.20:ビッド
117.00:ビッド
116.87:2月3日安値 、下にビッド
115.85:1月16日安値
21日MAでレジストされる状況は変わらず。このMAを突破しても、一目/基準線や61.80%戻しの118.90が控えていること、そしてトライアングルの下限を下方ブレイクしている点も考えるならば、引き続きダウンサイドリスクを警戒したい。
サポートポイントは上述の通り。117.20下からは断続的にビッドが観測されている。
一方、118.00から118.50レベルにかけては断続的にオファーが観測されている。