ポイント
- 好ましくない決算発表や予定されている金融政策の発表を控え、世界の株価は下落している。
- 人民元は下落し続けている。
- 国債買い入れ額の削減を受けて、日本円の長期債(10年物)の利回りは急上昇。
- 原油は下げパターンを形成、66ドルを下回るかどうかがポイント。
世界の株価指数
ヨーロッパの株価やS&P 500における先物、ダウ 、ナスダック100は弱気で週を開けた。その理由として、弱い決算が投資家たちに嫌気されたことや、金融政策の発表をひかえてリスクオフに向かったということが挙げられる。
鉱山株、食品株、飲料株の不調によりSTOXX 600 は下落基調になり、アジア株式市場も低迷した。世界第2位のビール醸造会社のハイネケン(AS:HEIN)は決算発表で予想EPSの1.91ユーロに対し、1.89ユーロであったことを受け、ハイネケン株は下落した。
日本の新発10年物国債利回りの急上昇
日本の新発10年物国債利回りが、過去約1年半で最高値水準まで上昇した。また今週は米連邦準備制度理事会(FRB)、 イングランド銀行、日銀の大きな政策会合が控えている。
日銀による国債買い入れ額の削減が見込まれていることを受け、10年物国債の流通利回りが一時、約1年半ぶりの高水準となる0.1%まで上昇した。
ドル円
買い入れ額の削減が実際に起こると、高利回りの長期債が投資家たちに購入され、日本円を押し上げることは必然だろう。テクニカル的な側面を見てみると、ドル円は上昇トレンドラインの上で、下降三角持合い(ペナント)を形成している。
ドル安になり三角持合いで下抜けが起こると、円買いに勢いが増し、ビットプライスは売り手を求めて上昇するだろう。
人民元
一方、人民元は先週からの下落を続け、2017年6月以来の最低水準に近づいている。人民元の下降トレンドは、トランプ大統領が中国と欧州連合(EU)による為替操作を非難したことを受けて加速した。そしてこの下落は、株式市場リスクを助長させ、投資家たちはリスクオフに向かっている。このような動向は、米ドル の調整は熟したという分析と合致する。
原油
WTI クルード原油は0.95% 伸ばし、金曜日の下落分を回復している。テクニカル的な側面を見ると、原油価格は7月13日以降三角持合い(ペナント)を形成している。トレーダーたちにとってこの三角持合いの下抜けは、75ドルからの下落の再開として準備しているだろう。2017年11月以来の上昇トレンドライン(上図:黒線)は66ドルのレベルにあり、このラインが下げトレンドとしての次のポイントであろう。