※この記事は2018年10月11日9:30(GMT)に投稿されたものです。
8月以来、 ブレント原油は25%上昇している。今週はじめウォールストリート・ジャーナルは、 2019年までにブレント原油が100ドルを超えるという予測が先月から急上昇していると伝えた。もちろんこれは、米国によるイランへの原油制裁の影響を受けている。しかし、100ドルまで押し上げるうち大半は投機的な動きであることを忘れてはならない。
現時点で、トレーダーはブレント原油が25%上昇した大半は投機的な動きだったことを念頭に入れておくべきだろう。実際、価格上昇を支えたファンダメンタルが明らかなわけでもない。
最近のメディアやアナリストは、米国のイラン原油制裁により、1日あたり150万バレルのイラン産原油が市場から消えると予想している。
イランよる原油供給の減少はすでに始まっているが、これからの減少が拡大するかは明らかではない。一部の調査会社では、イラン産原油は未だ高い取引高であるという。例えば、TankerTrackersによると、インドはイランからの原油輸入を減らすとしているが、いまだ8月と9月に1400万バレルの原油をイランから買っている。TankerTrackersは、日本もイランからの買い付けをやめるとしているが、9月には100万バレルをイランから輸入している。
イランへの制裁発動後にどれだけの原油が輸出されるのかはわからないが、予想されている「1日あたり150万バレル」がすべて失われるというわけではないと一部の人々は予想している。もし全て失われるとしても、イラン産原油の懸念はすでに原油価格に反映されていると考えられ、制裁によってさらに15ドルの上昇があるかどうかは疑問である。
依然として、原油トレーダーは様々なファンダメンタルに注視する必要があるが、投機的な動きなど市場そのものの動向に対する視点が大事だろう。もし、ブレント原油が年末までに30%以上上昇し1バレル100ドル以上になるのならば、それは投機的な要因によっての上昇となるだろう。
筆者注意: 水曜の{{8849|WTI原油}}とブレント原油は約3%下落した。これは同日に米国株が3%以上下落したことによるセンチメントが影響したと考えられる。