ポイント
- 四半期決算、8年間で最も早い成長率へ
- 金曜日に下落があったが、インデックスは週次では上昇で終わった。
- アップル(Apple)(NASDAQ:AAPL)は、堅調な決算にかかわらず4年間で最大の下落を記録した。
金曜日のS&P 500、ナスダック、ダウ平均は軒並み下落し、一方、小型株のRussell 2000は小幅高であった。
しかし、週次では全てのインデックスで上昇した。これは、良い決算や貿易戦争の緩和による、株式市場の回復を示唆している。
また、金曜日の米雇用統計では、今後経済が停滞する要素が見受けられない。雇用統計の結果によって、GDPの重要要素である強い消費者支出が続くと考えられる。
この楽観的な見解に加え、現時点ですでに約75%の企業の決算は終わり、全般的には8年間で最も高い成長へと向かっている。
これらは株式市場に好材料だ。企業の成長と最近の株価の下落によって、ボラティリティーは激しいが、株式市場は魅力的になっている。
株式市場の回復の後であるが、トレーダーはこれからのS&P 500 VIXは2017年の時や、今年の4月から10月の時より高い水準になると予想している。
先週はS&P 500は6ヶ月間中もっとも良い週となった
S&P 500は金曜日に、0.63%下落した。一般消費財 (+0.4%) セクター以外の、全てのセクターで下落していた。
金曜日のアップル(Apple)の決算発表は、業績見通しが失望を誘う内容であったため6.63%下落した。これによりS&P500のテクノロジー (-1.95%)やコミュニケーションサービス (-1.01%)の下落が引き起こされていた。
金曜日にS&P 500は4日間中で初めて下落したが、いまだに6ヶ月でもっともパフォーマンスがいい週である。公益事業 (-0.41%) を除く10セクターで上昇し、SPXは2.42%上昇した。中でも素材セクター (+6.11%)の上昇が顕著であり、米中間の通商問題による市場への影響に疑念を投げかけている。
金曜日の当初の下落は、国家経済会議委員長であるラリー・クドロー氏が、中国は貿易の緊張解消に向けて何もしておらず、通商問題に大きな進展はないと述べた後に、1.5%程度下落した。
しかし、トランプ米大統領が中国との貿易で合意すると考えていると述べた後に、S&P 500は金曜日の下落の半分を回復した。
テクニカル的には、2016年の底値以来の上昇トレンドと、200日の移動平均線が抵抗ラインになっている。また、RSIとMACDは「買いシグナル」を発している。。
ダウ平均は金曜日に0.63%下落したが、週次では、2.36%上昇している。テクニカル的には、ダウ平均は、2016年の2月以来の上昇トレンドラインに支えられている。RSIとMACDは「買いシグナル」を発している。
ナスダック総合指数は、アップル(Apple)に引きづられ、金曜日1.04%下落した。
世界一の時価総額を持つアップルは決算発表で売上は20%増加し、EPSは41%増加したと発表した。
アップルはハードメーカーとしてだけでなく自社製品へのサービスプロバイダーとして成長することが重要となっている。このサービス部門の売上は100億ドルを記録し、過去最高となった。
しかし、弱い収益の見通しや、来年から販売台数を非公開にすることなどを受けて、アップル株は207.48ドルまで暴落し、4年以上の期間の中で最も大きな下落をした。
アップルは、 ドル高は第4四半期の売上高を200万ドル程度下押しし、 2%の売上成長減少へつながると警告している。
数年間に渡って、アップル(Apple)は、いくつかの数値の公表を拒むことによって、アナリストの予想を操ってきたと言える。これから、アップルは販売台数非公開にするとし、これは同社の成長を反映するものではないという。この販売台数を非公開にする発表は大きな反発を生んだ。
投資家は気難しくなっており、予想を上回っても収益見通しが弱くなったことによってファンダメンタル的には素晴らしいアップルを売っている。
金曜日の10年債利回りは3.21%まで上昇した。これは過去一ヶ月間で最も大きい上昇幅である。
金曜日に発表された平均時給は2009年以来3%を超え、FRBによる 利上げへの道を整えている。また、0.14%の上昇によって、終値ベースでは2011年以来最も高い水準になっていた。
高まる資金調達コストと利回りの予想によってドル高になっており、週次でみると2017年の6月以来最も高水準にまで達している。
原油は金曜日、0.86%下落した。5日連続での下落となり合計で6.58%安である。米国が8ヶ国を制裁適用除外とし、イラン産原油を引き続き輸入できるようにしたと伝えられ、供給不足への懸念は薄まっている。テクニカル的には、原油は最高値をつくってからモメンタムは下降している。
総合的には、10月はS&P 500が2011年以来上昇分のほとんどを失った月と記憶する月になるだろう。典型的に高いボラティリティーは、景気循環の中で後半に起こると考えられている。しかし、米中間の通商問題による影響から考えると、例外的な乱高下の可能性が考えられる。
一週間の見通し
月曜日
10:45: 中国– Caixin サービス業PMI (10月): 53.1から52.9に低下する見通し
18:30: イギリス – サービス業 PMI (October): 53.9から53.3に低下する見通し
火曜日
0:00: アメリカ– ISM 非製造業PMI (10月):61.6から59.3に低下する見通し
12:30: オーストラリア– RBA政策金利発表:現在の1.5%を据え置きされる見通し
US中間選挙
水曜日
19:00: ユーロ圏– 小売売上高 (9月): 対前年比で1.8%から0.8に低下する見通し。先月の0.2%の下落から、0.1%増加する見通し
木曜日
0:00: カナダ– Ivey PMI (10月):50.4から50.9に増加する見通し
0:30: アメリカ – EIA 原油在庫量 (11月2日の週): 先週の321万7000バレルから200万バレル増加する見通し
12:00: 中国(予定) – 貿易収支 (10月): 輸出 は対前年比で9月の14.5%から12%に低下する見通し
22:30: アメリカ – 失業保険申請件数 (11月3日の週): 前回同様21万4000件の見通し
金曜日
4:00: アメリカ – 金融政策発表 (中間選挙により遅れる): 金利の変更はないと予想されている。9年ぶりの平均時給3%を考慮すると、連銀によるドル調達コストが上昇すると見られており、ドルを上昇させると考えられる。
9:30: オーストラリア– RBA政策金利発表:タカ派のコメントは豪ドルを上昇させるだろう
10:30: 中国– CPI (10月): 対前年比2.5%を維持する見通し。対前月比では先月0.7%から0.2%になる見通し
18:30: イギリス – GDP (9月), 貿易収支 (9月): 対前月比では0.00%から0.1%に増加の見通し。対前四半期比では0.4%から0.6%に増加。対前年比では、1.2%から1.5%の増加の見通し。貿易赤字は2億ポンドから114億ポンド拡大する見通し。
22:30: アメリカ – PPI (10月): 対前月比0.2%から0.3%になる見通し