米中間選挙から24時間経過し、米ドル相場は上昇ムードを取り戻した。主要通貨の中で米ドルは高値で取引され、FOMCによる政策金利据え置き決定に対しての反応はなかった。FRBは金利の据え置き決定し、米国経済や労働市場は好調であり今後のさらなる段階的な利上げの見通しがあることを述べた。コア売上高は9月に停滞したものの、FOMCメンバーは消費支出の成長は強いとして、経済指標についてのネガティブな発言はなかった。こうした明るい見通しの発表により追加利上げへの兆候は明らかと言える。特に株式市場が現状の回復基調を維持すれば、12月の追加利上げも当然行われることとなる。 一方、ドル/円相場は114円へと反発、ユーロ/ドルは1.1373ドルへと急降下となった。FOMCと中間選挙が終わり、ドル相場が急反発する恐れがなくなったことで、今月に大きく反発した通貨は金曜日に利益を確定することとなるだろう。
ユーロ/ドルサポートラインは1.13ドルとなるだろう。ドイツの貿易黒字が市場予想に達しなかったことやドイツ連銀による第3四半期のドイツ経済停滞への警戒感により、ユーロは日中の最低パフォーマンス通貨となった。さらなるユーロ安はインフレと成長率を下支えすると考えられるが、直近の原油価格の下落によって緩やかな上昇となるだろう。モメンタムがダウンサイドにシフトしたことや、金曜日に公表予定の欧米経済指標が特段ないことより、EU/USDは下落していくと見られる。
ポンドに関する注目ポイントはブレグジットである。イギリスのEU離脱に関する議論が11月23日に行われる。タイムズ紙によると、早ければ来週までに締結が行われる可能性が考えられる。稟議にかけられている草案は明らかに存在すると考えられており、仮にEUが受諾した場合、来週の火曜または水曜日に公表される可能性がある。もちろん草案自体が皆無である可能性やEUが草案を拒否する可能性もあり、結局何も進展しない可能性もありえる。ブレグジットが公表されるまでポンドトレーダーは慎重となるだろうが、公表された場合はGBP/USD相場が1.34にまで急上昇するだろう。
木曜日の3つの商品通貨は下落し、特にニュージーランドドルは大きな下落となった。NZD/USDは直近1ヶ月間急騰していたものの、現在は(Q3雇用者増減と政策金利発表)の2つの主要イベントの結果によって失速し始めている。ニュージーランド連銀(RBNZ)は水曜、政策金利の据え置きとインフレの上昇予想を発表したが、NZD/USDトレーダーはオア総裁のコメントに不満を持つ結果となった。オア総裁は今後の政策金利の見通しについては変わらない一方、インフレ圧力上昇に苦戦していることや、GDPが市場予想を下回った場合、金融緩和に頼らざるを得なくなる可能性があるが、「利下げ」について言及することはなかった。急騰後の利確やドル高の背景の上で、もし利下げについて言及した場合、NZD/USDが67セントまで下落することは十分にありうる。豪ドルも下落していたが、終日値を下げた訳ではなかった。カナダドルにおいても同様な値動きとなった。ニューヨーク時間が終わる頃にカナダドル安になり、USD/CADは1.32まで上昇した。