金価格の始値は0.27%上昇し窓を開けた。一見したところ、このことは良い兆候として考えられる。
これは、投資家が安全資産の金を買いましており、上昇トレンドであることを示している。ファンダメンタルズ的には、現時点で投資家は安全資産からリスク資産への資金のシフトを敬遠していると考えられる。実際に米国債は上昇している。
しかし、テクニカル的には危険信号を発している。
ここ3日営業日で見られた2度目の強気相場入りは急激に逆転する可能性がある。テクニカル的には、3日間に形成されたこのパターンはEvening Doji Starと呼ばれている。つまり、本日の窓開けはイグゾースションギャップ(トレンドの終りに見られる窓開け)であり、トレンドの最終局面かもしれない。
テクニカル的には、他の要因にも注目すべきである。上昇チャネルの上限(上図:2本の右肩上がりの線)で窓を開け、価格を上昇チャネルの底(下限)まで押し下げる可能性がある。
金に関するファンダメンタルズは不明瞭である。我々の予想では、株式に関しては、次の下降トレンドを前にショートカバーによって反発する可能性がある。これは、投資家が株式などのリスク資産に資金を戻す可能性を示唆し、金にとっては悪材料である。株式のRSIは年初来で最低水準となっている。
典型的に株式市場と金は相関するとされ、金は2018年初から15%下落していた一方で、株式市場は上昇トレンドであった。一転して現在では、ナスダックやラッセル 2000は弱気相場入りし、SPXも目前である。
金市場と株式市場が完全に相関しているわけではないが、株式市場の反発は、たとえ短期間だとしても、金に対してネガティブな影響があるだろう。
トレード戦略
慎重なトレーダーはチャネル下限まで価格が戻り、そしてそのチャネル下限で大陽線を伴う上昇でサポートされることを待とう。その際、価格は1235ドルまで上がる可能性がある。
一般のトレーダーは、大陰線とともにEvening Doji Starがみられた場合、リスクをとってショートしよう。大陽線の上昇分を半分以上打ち消せば、さらに良い売りシグナルとなるだろう。
しかし、現時点ではリスクに見合ったトレード戦略とは言えないだろう。より良くエントリーするためには、価格が抵抗ライン(上昇チャネルの上限)を再テストするのを待とう。
積極的なトレーダーは、今すぐショート。
積極的なトレードの例
- エントリー: $1,272.50
- 損切り: $1,275, above today’s high
- 損切り幅: $2.50
- 目標価格: $1,250, psychological, round number above December’s resistance
- 利確幅: $22.50
- リスクリワードレシオ: 1:9