米中貿易摩擦の解消への期待感から株式市場は上昇を続けている。米中通商協議は延長されて3日間の日程となり、本日の報道によるとお互いに歩みよったとのこと。
米中貿易問題の解決により、収益を輸出に頼っている多国籍企業の収益は改善されると考えられ、大型株は上昇するはずである。よって、昨日のナスダック総合指数は1.08%高が招かれたと考えられる。
ではなぜ、貿易戦争の避難先として考えられている小型株指数のラッセル2000が最近の株式市場の反発の中でアウトパフォームしているのか。貿易摩擦の解消が期待されているのであれば、投資資金は大型株へ移るので、同指数は下落するはずである。
原油価格のボラティリティやパウエルFRB議長の演説はエネルギー株と金融株に影響を及ぼしてきたが、株式市場の上昇や下落はテクノロジー株が主導してきた。テクノロジー株は貿易摩擦の進展や後退に対してとても左右されやすい。
ではなぜ、貿易協議が進展したのにも関わらずテクノロジー株を多く含むナスダックはラッセル2000より上昇していないのだろうか?
これは市場は通商協議で合意を期待していないということだろうか?
テクニカル的には上昇しないのは納得ができる。テクノロジー株は再び下落すると考えられる。
昨日のナスダックでは首吊り線が見られた。このことは、買われすぎであり強気相場が終息することを示している。
このことはすぐに下落トレンドに転換することを示しているわけではないが、市場が疲弊していると考えれられる。つまり、今回の株高は不安定で、さまざまな要因により終息する可能性がある。
テクニカル分析において他にも悪い兆候が見られる時、弱気相場入りを示唆する首吊り線はより重要なものになるだろう。今後下落する可能性を示す6つのことがある。
- 首吊り線が買われすぎを示している時、ストキャスティクスでも実際に買われすぎが確認できる。
- 首吊り線が形成され、次の営業日で低い終値を記録している。
- RSIはかつてのサポートラインであるレジスタンスラインを超えようとして4度目である(上図:2段目の右肩あたりの黒線)。RSIのサポートラインがレジスタンスラインが変わると同時に、価格は上昇チャネルから下降チャネルに転換している。現在も弱気相場だと考えられる。
- 100日移動平均線は200日移動平均線を下回りデットクロスである一方で、50日移動平均線は200日移動平均線を上回りゴールデンクロスを形成している。これは市場が不安定であることを示している。再び強気相場へ戻る可能性もあるが、万が一少しでも下落したら、弱気相場になるだろう。
- 10月から12月に首吊り線が形成された上で、サポートラインがレジスタンスラインが変わると同時に、価格は上昇チャネルから下降チャネルに転換している。
- 現在の価格は、10月からの下降チャネルの上限の水準に位置しており、下落することが予想される。
通商協議に対し懸念が払拭できていないのか、何か別の理由なのかは明白ではないが、ナスダックは弱気相場へ向かいつつある。
トレード戦略
慎重なトレーダーは、現在の下降チャネルの上限に達した後に、大陰線でトレンドが確定するまで待とう。大陰線後の戻し(上昇)でショートエントリー。
トレード例
- エントリー:7000
- 損切り:7020
- 損切り幅:20ポイント
- 目標価格:6800
- 利確幅:200ポイント
- リスクリワードレシオ:1:10
一般とレーダーは、下降チャネルの上限まで上昇することを待たずにエントリーする。エントリーは今日の安値水準より下で終値を付けてから、昨日の高値をテストするタイミングだ。
トレード例
- エントリー:6900
- 損切り:6910
- 損切り幅:10ポイント
- 目標価格:6800
- 利確幅:10ポイント
- リスクリワードレシオ:1:10
積極的なトレーダーは今すぐショート
トレード例
- エントリー:6900
- 損切り:6910
- 損切り幅:10ポイント
- 目標価格:6800
- 利確幅:10ポイント
- リスクリワードレシオ:1:10