第3四半期決算が軒並み出そろった。第3四半期のテクノロジー企業は、第2四半期の不調から、復活しつつある。
テック企業が今後も好業績を叩き出し続ける場合、テック企業は投資家からの信頼を高め、過去10年間で最高の年を迎えることが予想される。
アップル (NASDAQ:AAPL)やグーグル (NASDAQ:GOOG)などのFAANG企業は、突出した第3四半期決算を発表することができていない。しかし、S&P情報技術指数は年初来で41%高となっており、S&P500の24%高をアウトパフォームしている。
テクノロジーセクターを牽引しているのは、半導体銘柄である。ヴァンエック・ベクトル半導体ETF (NYSE:SMH)は、年初来で約50%高となっている。10月だけでも、同ETFは9%以上の上昇を見せている。
その中でも、半導体企業や半導体製造装置企業は、特に値を上げて取引されている。このことは、景気後退のタイミングにおいても、投資家が半導体需要に対して強気な見通しを持っていることを示唆している。
他方、小売業では、一部の企業が不振に陥っている。ホーム・デポ (NYSE:HD)やコールズ (NYSE:KSS)の決算では、業績の低迷が示された。
ホーム・デポ (NYSE:HD)は、業績低迷の要因として、設備投資が実を結ぶのに時間が掛かったと説明している。同社は過去数年間、オンラインと実店舗の融合を試みてきたが、未だ業績には繋がっていないようだ。
製造業の不振は続く
ウォルマート (NYSE:WMT)は今月、通年業績見通しを上方修正した。また、第3四半期における米国内既存店売上高が、アナリスト予想を上回る前年同期比3.2%増となったことを示した。このことは、消費者の購入単価の上昇を反映している。また、同社のEコマース売上高は前年同期比41%増となった。
他方、小売大手のターゲット (NYSE:TGT)は、堅調な第3四半期決算を発表した後、通年業績見通しを上方修正した。同社は今年、都市部に合わせた小型店舗の導入や、ブランドの強化、販売チャネルの多様化に取り組んでいる。株価は年初来で91%高となっており、その他小売業者をアウトパフォームしている。
強い消費者支出や失業率の低下、賃金の上昇、ガソリン価格の低下などは、小売業者にとって追い風となることが予想される。
好調な小売業に対し、製造業は低調な業績を示している。世界最大手の製造業者であるスリーエム・カンパニー (NYSE:MMM)は10月、2019の業績見通しを下方修正した。同社CEOのMichael Roman氏は、業績不振の要因として、マクロ経済的な環境を挙げた。同社の業績は全面的に低迷しており、工業製品に対する需要減少が窺える。
また、世界最大手の製造業者であるキャタピラー (NYSE:CAT)、約3年ぶりに四半期純利益の減少を発表した。また、第4四半期においても需要は回復しない見通しを明らかにした。
総括
第3四半期の決算シーズンでは、米中貿易摩擦などの不確実な環境下において、テクノロジー企業と小売企業が好業績を叩き出した。しかしながら、業績に対する不確実性は依然として存在しており、第4四半期決算にも目が離せないだろう。