好調な米経済指標や米中貿易の進展を背景に、株式市場は今後も値を上げることが期待されている。6日発表の11月非農業部門雇用者数は26万6000人増となり、予想の18万7000人増を上回った。その結果、米主要株価指数はそれぞれ約1%高となった。
しかし、11日にはFOMC政策金利発表が控えており、ボラティリティの上昇が予想される。そんな中で今週に決算報告が予定され、注目されている3銘柄を紹介する。
1.コストコ
コストセール (NASDAQ:COST)は12日の大引け後、2020年第1四半期(9-11月期)決算を報告する。予想EPSが1.71ドル、予想売上高が373.6億ドルとなっている。
堅調な消費者支出を背景に、同社は好調な決算が見込まれている。第4四半期(6-8月期)決算における既存店売上高は、5%増となった。また、オンライン売上高は、22%増となった。コストコの株価は年初来で44%高となっており、競合のビージェイズ・ホールセール・クラブ (NYSE:BJ)を大幅に上回っている。
2.ブロードコム
12日の大引け後、半導体最大手のブロードコム (NASDAQ:AVGO)が第4四半期(9-11月期)決算を報告する。予想EPSが5.36ドル、予想売上高が57.4億ドルとなっている。
フィラデルフィア半導体株指数は年初来で約50%高となる一方、半導体業界は業界サイクルの底にあると考えられる。ブロードコムは、半導体株指数をアンダーパフォームしている。
第4四半期決算では、事業ポートフォリオの組み換えが功を奏しているか否かに焦点が集まっている。
ブロードコムは昨年、シマンテック (NASDAQ:NLOK)のエンタープライズセキュリティ部門を100億ドルで買収することを発表した。
また、同社は昨年、CAテクノロジーズを190億で買収した。これらの買収を受け、同社の売上の約80%がクラウドやネットワーキング、ソフトウェア、ストレージなどの安定的かつ持続的な事業によってもたらされている。
3.アドビシステムズ
アドビ・システムズ (NASDAQ:ADBE)は12日の大引け後、第4四半期決算(9-11月期)を報告する。予想EPSは2.26ドル、予想売上高が30億ドルとなっている。
同社は9月、予想を下回る第4四半期決算見通しを発表し、新製品の売上が伸び悩んでいることが明らかとなった。しかし、同社CEOのシャンタヌ・ナライエン氏は、いくつかのマーケティング製品やEコマース製品を買収し、2015年以来で各四半期20%以上の売上増を示してきた。
昨年、アドビはEコマースプラットフォームのMagento Commerce社やマーケティングオートメーションツールのMarketo社を買収した。同社はEコマースやマーケティングオートメーションの領域で、セールスフォース・ドット・コム (NYSE:CRM)と競合している。同社は、コアとなるクリエイター向けサービスを強化する一方、法人向けサービスの強化に動いている。
同株は年初来で約35%高となっている。