COVID-19を受け、大麻企業は窮地に陥る可能性がある。カナダ大麻企業2社は先週、債権者保護申請を余儀なくされた。米大麻企業もまた債務不履行となった。
キャントラスト・ホールディングス、債権者保護申請へ
キャントラスト・ホールディングス (NYSE:CTST)(TSX:TRST)は3月31日、債権者保護申請を行った。カナダで大麻栽培ライセンスを保有する10社の中で、同社は初めて会社債権者整理法に基づく保護を受けた。
同社が破産に陥った原因は、同社の事業ではなく、無許可の大麻栽培に端を発した集団訴訟であると見る向きもある。
同社の負債総額374万4483.15カナダドル(266万9729.95米ドル)にも及ぶとのこと。
債権者保護手続きにおいては、再建計画を完遂し、オンタリオ州のヴォ―ンとナイアガラにおける温室のライセンスを確保することができるだろう。
同社が発表した声明の中では「ステークホルダーの信頼回復のために十分な態勢で債権者保護を終了し、事業を再開したいと考えている」と記された。しかし、これはほとんどの投資家が望んでいない。
同社は2019年、無許可でマリファナ栽培を行ったことが報じられた。これを受け、カナダ保健省はライセンスを停止し、同社は事業の停止を余儀なくされた。さらに、5460万米ドル(7700万カナダドル)の在庫を破棄することとなった。
同社はその後、CEOの解任と一部従業員のリストラを行った。
現在の新型コロナウイルスの流行は、同社のライセンスを再び取り戻すための道のりを、より険しいものにするだろう。
同社の株式は現在、トロント証券取引所とニューヨーク証券取引所の両方で取引が停止されている。また、債権者保護を申請したことで、両取引所において同社が上場廃止になるとの見方が広がっている。同株は3月30日から取引停止となっている。
James E. Wagner Cultivation社、債権者保護申請へ
James E Wagner Cultivation社(OTC:JWCAF) (TSXV:JWCAh)は先週、債権者保護申請を行った。同社は4100万ドルの負債を抱えていたという。カナダTSXベンチャー取引所と米OTC市場で取引されていた同社の株式は7日、取引中止となった。
2019年の同株は97.56%安となった。
米大麻企業も倒産
アイアンサス・キャピタル・ホールディングス (OTC:ITHUF)(CSE:IAN)は、担保付社債9750万米ドル(1億2680万カナダドル)と無担保社債6000万米ドル(8420万カナダドル)、その他負債170万米ドル(240万米ドル)を含む計1億5920万ドル(2億2330万カナダドル)で債務不履行となることを表明した。債務不履行の要因として、新型コロナウイルスの流行に起因する流動性の問題を指摘している。
同社最高経営責任者(CEO)のHadley Ford氏は声明の中で「利払いを行わないことは難しい決断だったが、当社の事業運営のために現金を使うことが当社やステークホルダーにとって最善であると、経営陣と取締役会は判断した」と述べた。
さらに「厳しい状況ではあるが、同社は今後も小売や栽培、製造の分野で事業拡大の機会を追求し、さらなる発展を目指していく」と記した。
同社は2019年12月31日を期末とする第4四半期決算及び期末決算報告の延期を表明したが、延期後の発表日は未定である。
これを受け、6日の同株は62%安となり、米OTC市場では0.1785米ドル、カナダ証券取引所では0.24カナダドルとなった。2019年の同株は97%安となった。