外国為替市場は13日、ほとんどの市場がイースターマンデーにより休場となったことから動意に乏しい展開となった。米ドルは一貫性に欠いた値動きとなり、対円ではドル安、対ユーロではドル高となった。
他方、OPECが協調減産で合意に達したにもかかわらず、カナダドルは値を下げた。サウジアラビアとロシア間のシェア争いは、日量970万バレルの減産で合意に達し、幕を閉じた。減産に難色を示していたメキシコはわずか日量10万バレルの削減幅となり、原油市場は続落した。
原油市場だけでなく、カナダ経済も大きな問題を抱えている。先週、新型コロナウイルスの流行に伴い、製造業における経済活動が急速に落ち込み、約100万人の雇用が失われた。カナダ銀行(中央銀行)は15日の会合で、利下げや大規模な資産購入プログラムなどを発表する可能性がある。同銀行は27日の緊急会合にて、利下げと50億カナダドル相当の国債の購入を発表した。
カナダ銀行の会合は今週注目のイベントであるが、それだけではない。本稿では、今週注目すべき外国為替市場に関した経済イベントを5つ紹介する。
今週発表の5つの重要経済イベント
中国は新型ウイルスの流行を抑制しており、経済指標は堅調な結果となる可能性が高い。他方、米国の小売売上高は、各州で不要不急の外出を控えていることやガス価格の急落を受け、軟調な結果が予想されている。豪雇用者数も、減少に転じると見られる。
決算もまた、株式市場にとって重要な材料となる。今週から第1四半期の決算シーズンが始まる。さらに、15日にはベージュブックが公表され、新型ウイルスの米経済への影響を確認することができるだろう。
決算報告は軟調な結果となり、FOMCメンバーが経済情勢について懸念を表明する可能性が高い。ドナルド・トランプ米大統領は新型ウイルス対策を主導するファウシ氏の解任を求めており、冷静な判断ができていないことを示唆している。これらは、先行きが見えない中で、米ドルや米国株にとって悪材料となりえるだろう。