激動の年だった2020年ももう残すところあと僅か。そこで、Investing.com日本版編集部では日頃分析記事をご寄稿いただいているアナリストの皆様に今年のマーケットの所感と来年の見通しについてコメントをいただきました!
株式会社アルゴナビス 代表取締役 清水洋介様
今年のマーケットへの所感
2020年の相場は「コロナに始まり、コロナに終わる」ということでコロナに対して悲観的に見るのか、楽観的に見るのかで相場の見方も変わったということでしょう。
そして世界中で「新生活様式」が始まり、その関連銘柄が買われるという株式市場でした。これまでの覇者である米GAFAMに代表されるようなものが覇権を確立したということでしょう。ただ、世界的な金余り株高で持てるものと持たざるものの格差が大きくなったと思います。
株式市場ではかつての1980年代バブル、ITバブル、リーマンショック前の新興国バブルとの類似がみられます。
現状はバブルなのでいずれ来年の早いうちには(下手をすると年内にでも)暴落があるかもしれません。
来年のマーケットの見通し
2021年の相場は年初は新型コロナウイルスの感染拡大の影響が取り沙汰されて業績への懸念から売られ、日経平均も25,000円程度までの調整は見られそうです。その後は2021年度下期の景気回復期待、東京五輪特需期待から買われ27,000円を超える場面もありそうだえすが、東京五輪を前に失速となるでしょう。
また、年後半には米国を筆頭に景気回復から金利の上昇がみられ、株式市場は大きく調整となるでしょう。リーマンショックのようなことはないのでしょうが、2021年末は23,000円程度まで日経平均も調整となると思います。
樺 淳一様
今年のマーケットへの所感
新型コロナウイルスによる相場変動が目立った他、
FRBによる金融緩和の長期化からドル売りが顕著に現れる年となりました。また、英国のEU離脱に関して、
対EUとの貿易協議が難航している事からポンドの値動きが不安定となり、
取引に悩むトレーダーが多かったのではないかと感じています。
来年のマーケットの見通し
1月に新たな米大統領が就任し、英国とEUの貿易協議も何らかの結論が出され、
新型コロナウイルスもワクチン開発や接種の普及が見込まれますので、
新たな不安要素が出なければ2020年より安定するのではないかと考えています。ただし、 近年の年初は円高が目立っており、
アノマリーの観点からも年初から春先にかけては調整が発生しやすい期間です。ダウ平均株価や日経平均株価、為替市場では株高円安が続いており、
過熱感を伴って上げ続けていますので、
2021年の年初から春先にかけて何らかの大きな調整が発生するなど、
波乱要因には留意しておく必要があると考えています。
清水様、樺様、ご寄稿誠にありがとうございました!
今年は新型コロナウイルスの猛威で世界経済は混乱、景気刺激策やワクチン開発の進展に大きくマーケットが反応する非常にボラティリティーが高い1年となりました。
コロナショックで暴落した株式市場は順調に回復し、日経平均は本日30年4ヶ月ぶりの高値の水準まで上昇、また米主要3指数(ダウ平均・S&P500・ナスダック総合)は今年史上最高値を記録しました。
ドル円は2月中旬に112.22円の高値(ドル高円安)を付けた後に、3月上旬 では101.17円まで急落する(ドル安円高)ことがありました。
商品市場では、金先物は8月に2000ドルを超え一時史上最高値を記録、WTI原油先物は4月に史上初のマイナス価格 40.32ドルの安値を付けたことも記憶に新しい。
仮想通貨ではビットコインが年末にかけて急騰し2500ドルを突破、現在も史上最高値を更新する展開になっています。
2020年の金融市場はいくつもの史上初を記録する波乱に満ちた1年でしたが、トレーダーの皆様にとっては乗り切るのが難しい相場である一方で大きな収益機会があった年だったかもしれません。
来年もどうぞInvesting.comをトレードにお役立ていただけますと幸いです。