投資家は上場投資信託(Exchange-traded funds (ETF))という投資商品への関心を高めていることから、多くの投資運用会社が投資信託をETFへと変換している。
直近数ヶ月でもDimensional Fund Advisers、Guinness Atkinson、Adaptive Investmentsが自社の投資信託をETFへと変換させている。同様に、急速に拡大している市場に参入するため、JP Morganはいくつかの投資信託をETFへと移すと発表した。
Investment Company Institute社(ICI)によると「10月のETF市場の規模は696兆ドルと3783億ドル(5.7%)増加した。過去12ヶ月間でETF市場は2.28兆ドル(48.6%)拡大している」と報じている。
投資家にとってETFは投資信託よりも取引がしやすいことに魅力を感じている。また、一部の地域では税制優遇措置もある。加えて、ETFのほとんどは年間の運用報酬が非常に低位だ。
この記事では最近転換されたETFを2つみていく。どちらも読者のポートフォリオの分散化において重要なオルタナティブ投資のツールになるかもしれない。
1. Dimensional US Targeted Value ETF
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現在の価格:46.64ドル
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52週レンジ:41.29ドル~49.67ドル
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配当利回り:0.96%
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運用報酬:年率0.34%
Dimensional US Targeted Value ETF (NYSE:DFAT) はDimensional Fund Advisorsが運用しているTax-Managed US Targeted Value Portfolioとしてかつて知られていた。当投資信託は1988年12月に取引を開始し、2021年6月にETFとして上場した。当ETFは米国の中・小型株にアクティブ投資を行うファンドだ。
DFATは約1600銘柄で構成されているRussell 2000 Value Indexに連動した値動きをするように設計されている。組入上位10銘柄は全体の7.4%を構成し、資産総額は64億ドルだ。
保有上位銘柄には、専門の契約サービスおよびインフラ・ソリューションを提供するQuanta Services (NYSE:PWR)、退職用貯蓄商品を手掛ける金融サービス・グループのAthene Holding (NYSE:ATH)、電機および半導体販売企業Arrow Electronics (NYSE:ARW)、広範な金属製品の販売を手掛けるReliance Steel & Aluminum (NYSE:RS)、食品企業にリサイクル・ソリューションを提供するDarling Ingredients (NYSE:DAR)などが挙げられる。
当ETFのセクター配分は金融(29%)、産業(21.96%)、一般消費財(14.83%)、情報技術(8.32%)、金属(8.04%)となっている。
6月14日に当ETFは46.39ドルで取引を開始し、今も同水準で推移している。株価純資産倍率(P/Bレシオ)は1.58倍だ。興味のある投資家は44ドル近辺で買うと良いかもしれない。
2. SmartETFs Dividend Builder ETF
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現在の価格:25.66ドル
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52週レンジ:23.59ドル - 26.79ドル
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配当利回り:1.89%
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運用報酬:年率0.65%
SmartETFs Dividend Builder ETF (NYSE:DIVS)は過去3年~5年にかけてしっかりと配当を出している企業に投資を行っている。2012年3月にGuinness Atkinson Dividend Builder Fundと呼ばれるアクティブ投資の投資信託として組成された。ETFに転換されたのは2021年3月末だ。
DIVSは投資資金を35銘柄に均等配分し、MSCI World Indexに連動した動きとなるように設計されている。ポートフォリオの50%以上が米国株式であるが、それ以外にも英国(15%)、スイス(9%)、フランス(5%)、ドイツ(5%)などに投資している。
セクター配分は製薬(12%)、電子部品および半導体(6%)、航空宇宙/防衛(6%)、複合製造業(5%)、食品その他複合セクター(5%)となっている。組入上位10銘柄は全体の約33%を占め、資産総額は25.4百万ドルだ。
組入上位企業にはデンマークの世界的ヘルスケア大手 Novo Nordisk (NYSE:NVO)、Microsoft (NASDAQ:MSFT)、保険ブローカー・サービス事業を手掛けるArthur J Gallagher & Co (NYSE:AJG)、資産運用会社最大手BlackRock (NYSE:BLK)、総合人材管理ソリューションを手掛けるPaychex (NASDAQ:PAYX)などが名を連ねる。
当ETFは24ドル近辺で推移しており、設定来約11%のリターンを創出している。多様な保有銘柄は魅力的で投資家の注目を集めそうだ。再び24ドル台に値下がりしたら、エントリーの好機かもしれない。