9日間で8回のストップ高を記録した木材先物は文字通り屋根を突き破っている。
米国の住宅建設の第一原料である木材は、先月は1ヶ月間低迷した後、上昇を再開し、11月と12月に39%の連続上昇をした後、2月はこれまでに32%上昇している。
シカゴ・マーカンタイル取引所の木材先物は、過去10回のうち9回、1日に許される最大値上がり幅45ドルの水準まで上昇した。
出所:すべてのチャートはskcharting.comから取得
火曜日の取引時、市場の木材前月限は1,000ボード・フィートあたり1291ドルと、2月1日の終値934.90ドルから3週間ぶりの高値となった。
ニューヨークのBMOキャピタル・マーケッツのアナリスト、Mark Wilde氏は今週初め、ブルームバーグの報道を引用し、「足元の価格は過去対比、そして我々自身の価格予測をはるかに上回っている」と述べた。
「またちょうどこれから春の建設シーズンと住宅市場の活性化に向かっているので、価格がさらに上昇しても驚きではない。」
木材価格の高騰が米国の住宅価格に与える影響は計り知れない。
米国商務省のデータによると、12月の米国における新築住宅販売数は前月比12%増となった。これは、利上げを控えて初回購入者が引き続き不動産市場に押し寄せたためである。
12月の新築住宅の販売価格の中央値は37万7700ドル、平均値は45万7300ドルであった。11月は中央値が41万6900ドル、平均値が48万1700ドルで、いずれも過去最高を記録している。
2007~2008年の金融危機以降、米国では深刻な住宅不足が続いており、コロナウイルスの発生もあって、初めて住宅を購入する人々が殺到し、記録的な高値になった。
さらに問題を深刻にしているのは、過去40年間で最も速いペースで進むインフレを抑えるため、米連邦準備制度理事会(FRB)が今年中に5〜7回もの利上げを行う見込みであることだ。
米国の消費者物価指数は、注視すべきインフレのバロメーターであるが、12月までの1年間に7.5%上昇し、1982年以来最も速いペースであった。
ブルームバーグが指摘するように、木材価格はパンデミックが始まって以来不安定だ。コロナ禍に後押しされた建築ブームで過去最高を記録した後、高止まりする価格に需要が追いつけなくなり、そんな中で製材所が生産を拡大したことで、木材価格は暴落したのである。
住宅用骨組み複合材の指数は8月下旬から3倍以上に上昇し、平均的な新築住宅のコスト増に拍車をかけている。
それでも、木材は2021年5月に達成した過去最高値の1711ドルから約30%低い水準にある。
オンライン証券会社TradeStationのマーケット・インテリジェンス担当バイス・プレジデントのDavid Russel氏は先週、Business Insiderに「コモディティの大きな動きの一部だと考えている。」と述べた。
「広範な市場において、コモディティや素材へ投資資金のシフトのようなものが起きている。」
同氏によると、鉄、石油、大豆、肥料などのコモディティ価格は、冬の寒波、地政学的リスクの高まり、サプライ・チェーンの混乱などを背景に、ほとんどが上昇基調にあるとのことだ。
商品取引プラットフォームのMickey Groupで取引・成長担当ディレクターを務めるChip Setzer氏はInsiderに、「過去6ヶ月から1年の間に木材価格を上昇させた要因の多くは、現在も木材価格に影響を与え続けている」と語った。
「林産物・木材製品への需要は依然として高いなかで、供給は引き続き制限されている」
Sherwood Lumberの特殊製品担当ディレクター、Michael Goodman氏も同調する。
「極端な需要、天候、トラック輸送、その他様々なサプライ・チェーンの問題が重なり、木材価格を最高値に押し上げ続けている」とGoodman氏もInsiderに語っている。
「まだ2月に入ったばかりだが、過去最高の販売量を記録している。金利の影響で販売量は減速するというのが大方の予想だったが、旺盛な需要が続いており、今後もしばらくは続くだろう。」
では、木材先物のチャートは何を語っているのだろうか。
「週足チャートは強気で、900ドルをサポートに上昇トレンドが再開している」とskcharting.comのチーフ・テクニカル・ストラテジスト、Sunil Kumar Dixit氏は言う。
「この上昇は、1335ドルを試すために拡張する可能性が非常に高い。」
それだけではない。1335ドルを超える強い買いは、木材を次のレベルである1540ドルまで価格を押し上げ、2021年5月に残された暴走のギャップを埋める可能性が高いと、Dixit氏は付け加えた。
免責事項:Barani Krishnan氏は、あらゆる市場の分析に多様性を持たせるために、自身以外の様々な見解を用いている。中立性を保つため、同氏は時に逆張りの見解や市場の変数を提示することがある。同氏は執筆している商品および証券のポジションを保有していない。