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現在のハイ・リスクな環境を乗り切るためのディフェンシブな3つの配当株 

発行済 2022-03-02 21:42
更新済 2020-09-02 15:05

2020年3月の市場暴落に続く歴史的な上昇相場の後、2022年は全く異なるマクロ経済シナリオで始まった。年初の2ヶ月間は、高止まりするインフレ、FRBによる利上げの可能性、景気後退への懸念などの逆風が吹き、市場は広範囲にわたって売り込まれた。

ロシア・ウクライナ戦争は、世界金融の安定を乱し、コモディティによるインフレ・サイクルを再び引き起こすという、予測不可能な新たなリスクを市場にもたらした。

株式投資家がこれらの脅威からポートフォリオを保護することはほとんど不可能だが、長期的に市場に参加し続けるためには、リスク管理が重要な要素であることに変わりはない。 

そのためには、分散投資をして、株式市場全体よりも変動が少ない低ベータの株式を購入することが最も効果的だろう。

これらの銘柄は、市場が大きく下落しても、グロース株に比べれば、その動きはそこまで極端ではない。また相場が調整されると、すぐに回復する傾向がある。このような銘柄には、電力・ガス会社、電気通信事業者、ディスカウント・ストアなどが挙げられる。

以下、安全性を重視する投資家にとって魅力的な銘柄を3つ紹介する。

1. BCE

  • 配当利回り:5.49%

  • 四半期配当金:0.92ドル

  • 時価総額:478.3億ドル

カナダ最大の電気通信事業者であるBCE Inc. (NYSE:BCE) は、長期投資家がポートフォリオに組み入れておくことができる、安定的で変動の少ない株だ。電気通信事業者は、パンデミックの際、ほとんどの社員が在宅勤務となる中、加入者増が見込めず、業績が悪化した。

BCE 週次チャート

BCEの株価を圧迫したあの空白のパンデミック期は終わったようだ。カナダは、国民のほとんどに予防接種を行った後、パンデミック関連の制限を早くも解除している。これは、労働者がオフィスに戻り、BCEのビジネスがさらに上向くことを意味する。

BCE (TSX:BCE) はトロント証券取引所でトップ・クラスの高配当株であり、米国に上場している同社株も6%近い配当利回りを提供している。先月、発表した四半期ごとの企業決算tの中で、BCEは四半期配当の5%引き上げと、最大90万カ所まで新たにファイバーを延長する支出プログラムの増額を発表した。同社は今後の5G関連のアップグレード・サイクルにおいて、そのファイバー事業から恩恵を受けると思われる。

つまり、BCEは短期間の輝かしいリターンを求めず、長期にわたって平均的で安定したリターンで構わないのであれば、良い銘柄といえるだろう。株価は火曜日に52.61ドルで引けている。

2. Walmart

  • 配当利回り:1.65%

  • 四半期配当金:0.56ドル

  • 時価総額:3772億ドル

世界最大の実店舗型ディスカウント・ストアである、Walmart (NYSE:WMT)は、ポートフォリオに組み入れるべき堅実なディフェンシブ銘柄であり、株式市場が低迷する可能性に対するヘッジとして機能する可能性がある。

苦境の時期に、ウォルマート株は歴史的にS&P 500をかなりの差でアウトパフォームしてきた。例えば2020年の市場暴落の際、幅広い市場が弱気圏に入る中、同株はプラス圏を維持し続けた。また、2002年と2008年の不況期には、S&P500が暴落する中、ウォルマートはプラスのリターンを記録している。

Walmart 週次チャート

最近も同社の強さが確認できた。先月発表した四半期決算は市場予想を上回り、インフレ率の上昇とサプライチェーンの混乱への対処能力に対する自信を示す、明るい内容となったのだ。

収益性の広範な指標である第4四半期の売上総利益率も、米国事業の好調に助けられ、23.8%とわずかに上昇し、アナリストの予想を上回った。

ウォルマートの強固な配当も魅力の一つだ。配当利回りは2%弱、四半期配当は0.56ドルで、この銘柄は市場環境が良いときも悪いときも所有するのに最適な選択肢の一つだろう。同社は、株主にしっかりと配当を支払ってきた素晴らしい実績がある。WMTの火曜日の終値は135.99ドルである。

3. Coca-Cola

  • 配当利回り:2.84%

  • 四半期配当金:0.44ドル

  • 時価総額:2686.7億ドル

アトランタを拠点とする食品・飲料大手のCoca-Cola (NYSE:KO) も、リスク回避志向の投資家に適した候補の1つといえる。同社は100年以上にわたって配当金を出しており、そのブランドの強さを背景に、最も厳しい経済情勢下でも生き残る能力を示している。

多くの消費者ブランドと同様に、コカ・コーラもコロナ禍により売上を減らした。しかし世界経済が正常化するにつれ、今後2〜3年は屋外でのエンターテイメント・イベントに対する溜まった需要から恩恵を受けると期待でき、かなり有望な時期に来ていると思われる。

KO 週次チャート

ブルームバーグがまとめたデータによると、第4四半期の比較可能な1株当たり利益は、9四半期連続で予想を上回った。また前四半期は、パンデミック開始以来初めて、世界での販売数量が2019年の水準を上回った。

さらに、コーラは社名入りブランドを超えて「総合飲料企業」に成長するための一環として、健康志向の顧客に対してもより共鳴し、新たな成長分野を見出すために新興飲料企業の買収を進めている。

健康志向の消費者が砂糖入り飲料から離れつつある現在、ミニッツ・メイド、シンプリー、ダサニ、シュウェップスなどのブランドを持つ同社は、健康志向の商品を拡充している。最近の投資先には、Honest Tea、Fairlife dairy、Suja Lifeなどが挙げられる。

コカ・コーラの火曜日の終値は1株61.97ドルであった。

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