米国株式市場は先週金曜日に急落し、ダウ、{166|S&P500}}、NASDAQの主要株価指数は1月以来週次では最大の下落となった。{{ecl-733}|インフレ}}の高止まりが発表された消費者物価指数によって確認され、FRBによる積極的な利上げへの懸念が高まったため、景気後退リスクが高まっている。
5月の米国消費者物価は前年同月比8.6%上昇し、1981年以来最大の上昇率となった。
今週は、米連邦準備制度理事会（FRB）が水曜日に待望の金融政策発表を行う。再び波乱の展開となることが予想される。
多くの市場参加者は50bps（0.50%）の利上げを予想しているが、先週金曜日に発表された消費者物価指数（CPI）のホットな報道を受けて、75bps以上の利上げの確率が跳ね上がった。
FRBの他に、今週の経済カレンダーには重要な生産者物価指数、小売売上高や住宅着工件数に関する最新の経済動向の発表が含まれている。
一方、オラクル (NYSE:ORCL)、アドビ (NASDAQ:ADBE)、そしてクローガー (NYSE:KR)を含む多くの企業が決算発表を控えている。
市場の方向性に関わらず、需要がありそうな銘柄と、さらに下降する可能性がある銘柄を以下に紹介する。
ただし、この記事の有効期限は今週いっぱいであることに注意してほしい。
今週の強気銘柄：Exxon Mobil
石油・天然ガス超大手のエクソン・モービル（NYSE:XOM）は先週、株価が史上最高値を更新したが、石油と天然ガス価格の激しい上昇の中で、投資家が繁栄しているエネルギー・セクターへの積み増しを続けているため、今後もさらなる上昇が期待できる。
原油先物は先週、7週連続で上昇し、米国のWTIと世界のベンチマークであるブレント原油は、欧州と中東の供給が途絶える可能性があるという長引く懸念を背景に、共に1バレル120ドルを超えて上昇した。
エクソン・モービルの株価は、史上最高の年明けのスタートを切り、水曜日に105.57ドルの最高値を更新し、金曜日のセッションでは100.46ドルで引けた。
現在、テキサス州アービングに本社を置く石油・ガス産業の巨大企業である同社は、約4232億ドルの時価総額を持ち、世界最大のエネルギー企業の一つとなっている。
株価は年初来64.2%上昇している。これは堅調なコモディティ価格、世界的な需要の改善、合理化された事業運営から利益を得ているためであり、同期間におけるS&P 500の約18%の下落と比較するとそのパフォーマンスの良さが際立つ。
また、エクソンは自社株買いと増配という形で株主への還元を続けていることも投資家の励みになっている。現在、1株当たり0.88ドルの四半期配当を行っており、年間の配当利回りは約3.50%となっている。
バイデン大統領は先週金曜日に米国の石油業界を批判した。5月にインフレ率が40年ぶりの高水準に加速したとの報告を受けた後、エクソンは今年「神よりも稼いでいる」と述べ、増産する代わりに高い利益を自社株の買い戻しに使っているとして非難した。
「なぜ掘削しないのか？もっと石油を生産しないほうが儲かるからだ。エクソン、投資を始めて、税金を払うべきだ。」
エクソンは大統領の発言に反発、2021年の納税額は406億ドルで、原油価格の下落や世界的な需要の低迷で200億ドル以上の巨額損失を被った2020年から178億ドル増加したと反論した。
今週の弱気銘柄：Robinhood Markets
個人投資家向け取引プラットフォームを手掛けるRobinhood Markets (NASDAQ:HOOD)にとって、今週も厳しい状況が続くだろう。先週金曜日に過去最低水準まで下落した株価は、苦戦中の個人投資家向け証券会社を苦しめるいくつかの要因による悪影響を懸念する投資家の声に直面している。
今回のネガティブなニュースは、証券取引委員会（SEC）のGary Gensler委員長が先週発表した計画である。これは米国の株式市場をより透明化することを目的とした計画だ。
同委員長は、最も大きな変更点の一つとして、個人投資家が自身の注文に対して最良の価格を得られるようにすることを目的とした、注文ごとのオークションの仕組みを作るというアイデアである。
もし実現すれば、現在の市場構造を抜本的に見直すため、証券会社が個人の取引注文を処理する際に収益を得る方法に直接影響を与える可能性がある。
Robinhoodは以前、「ペイメント・フォー・オーダー・フロー（PFOF）」として知られる証券会社と取引会社間の支払い協定にSECが介入する可能性があれば、同社のビジネス・モデルに重要なリスクをもたらすと警告していた。
このモデルは、顧客の株式注文を取引実行のために異なるマーケット・メーカーに提供することで報酬を受け取るもので、Robinhoodの収益の大部分を占めている。
先週金曜日に7.81ドルという史上最安値で取引を終えた。現在の水準で、カリフォルニア州メンロパークに拠点を置くこのフィンテック企業の時価総額は68億ドルである。
FRBが積極的な金融引き締めを計画していることから、高値で評価されていた不採算のテクノロジー企業の株が数カ月にわたって売られ、年初来でRobinhoodの株価は約56%下落した。
さらに心配なことに株価は、2021年8月につけた過去最高の84.12ドルから実に90%も下落している。
一般に、FRBのタカ派的な政策への期待は、長期的なキャッシュ・フローの価値を損なう恐れがあるため、高いバリュエーションを持つ高成長のハイテク銘柄に重くのしかかる傾向がある。
そのことを考慮すると、低迷する株式・暗号取引アプリの株価は、今後も急変動に脆弱なままとなりそうだ。