- 4-6月期(第4四半期)決算:7月18日大引け後
- 予想売上高:3275億ドル
- 予想EPS:1.21ドル
マイクロソフト(NASDAQ:MSFT)の4-6月期決算が、予想を下回るとは考えにくい。
同社のサティア・ナデラCEOによる大規模な変革の後、同社はクラウドコンピューティングの分野でアマゾン(NASDAQ:AMZN)に次いで業界2位となっている。
ナデラCEOは5年以上前、収益の多角化を試みて、データセンターなどのインフラ事業へ多額の投資を実行した。クラウド市場の拡大は同社にとって追い風となり、営業利益の拡大に貢献している。
同社のインテリジェントクラウドは収益の30%以上を支えている。Azureなどのクラウド事業の収益は、1-3月期で41%高となり、利益率は63%まで拡大した。
今日の決算報告においても同様に好調な結果が発表されると考えられる。同社はさまざまな規模のクライアントを継続的に確保している。1-3月期決算では、クローガー (NYSE:KR)やウォルグリーン・ブーツ・アライアンス(NASDAQ:WBA)、エクソンモービル(NYSE:XOM)などの大企業がマイクロソフトAzureを利用することで合意した。
同社のクラウド領域での強みは堅調な株価に反映されている。
マイクロソフトの株価は1年間で約35%高となっている。同社の時価総額は現在1兆ドルを上回っており、世界最大の時価総額を誇る。
上昇は続くのか?
今後、株式市場にとっての最大の疑問は、この上昇がどこまで続くかである。同株のPERは31倍となっているが、他のテック銘柄と比べてまだまだ低水準である。
我々の見解では、クラウド市場の拡大は今後も同株を下支えすると考えられる。クラウド市場は2017年の2850億ドルから2020年には4110億ドルまで拡大する見込みである。マイクロソフト幹部によると、クラウド市場は同社の収益を今後3、4年は牽引するとのこと。
また、同社はPC売上の拡大による恩恵も受けている。先週のIDC社の調査によると、ウィンドウズ7のサポート終了を背景に、PCの発送量は前年比約5%増となっている。加えて、ウォールストリートジャーナルによると、同社は新型Xboxのローンチを2021年度中旬に控えているとのこと。
総括
世界経済が懸念される中で、マイクロソフトのファンダメンタルズは堅調である。同社のクラウド市場におけるシェアは拡大し、ウィンドウズやオフィスへの需要も根強いことが予想されるので、同社の利益は増加を続けるはずである。同社の競合優位性によって、収益やEPS、フリーキャッシュフローは継続的な二桁成長が可能となり、長期投資にも最適と言える。