週明けの米国株式は反発するも米国債券市場では各ゾーンの金利が低下。そして外為市場では対円&ユーロでドル売り優勢の展開となった。米国株式に加えCRB指数が続伸したにもかかわらず、米国債券市場と外為市場でリスクオフ時のような動向となった事実は、両市場が調整相場(=米債買い・ドル売り)にシフトしていることを示唆している。単なるポジション調整相場なら、外為市場でのユーロ買いの余地はまだあるだろうが、円買いは限定的となろう。株高や商品市況の一時的な反発が円売り要因となるからだ。USD/JPYは120円台維持を想定したい。
問題は、「ポジション調整」に「リスクオフ」の圧力が増大した場合だろう。リスクオフ圧力の増大は米国債券市場への資金シフトを加速させ、米金利の急低下(米債ショートの急速な巻き戻し)を誘発するだろう。この場合、リスク選好の先導役である米国株式はさらに下値を模索しよう(例えばS&P500は目先の重要サポートポイントであるである日足の一目/雲の下限と9-10月高安のリトレースメント50.00%水準が密集している1994ドルを完全に下方ブレイクしよう)。目先、リスクオフ圧力の増大要因として注視すべきはやはり国際商品市況の動向だろう。21日の米国株式は確かに反発したが、エネルギーセクターでの上昇幅は抑制された状況が続いており、国際商品市況への根強い警戒感を示唆している。
リスクオフ圧力が増大する展開となれば、急激なユーロショートカバーによりEUR/USDがドル売りの震源地となろう。その影響が他のドル相場へ波及することで外為市場全体でドル売りトレンドが形成されよう。その過程でUSD/JPYは、「ポジション調整=ドル売り」プラス「リスクオフ=円買い」のダブルパンチにより、120.00割れをトライする局面が散見される可能性があろう。
今回が2015年最後のマーケットコメントとなります。今年1年、ありがとうございました。
2016年がみなさんにとって良い年でありますように。 筆者より