マーケットコメント
本日の外為市場は、ドルロングの調整地合いが継続するか、この点が焦点となろう。注目したいのは、株式市場が堅調さを維持した場合の商品市況と資源国通貨の動向だろう。昨日は米株高を背景にNY原油先物は一時40ドルを割り込むも反発(終値40.75)。北海ブレントも前日比1.31%高となった(終値44.14)。CRB指数もひとまず下げ止りの兆しが出てきたことで、資源国通貨は対主要国通貨で堅調に推移。中国の新たな政策期待や欧州中央銀行(ECB)による緩和強化観測がグローバル株式市場のサポート要因となり続ければ、商品市況のさらなる反発を誘発し、結果外為市場では資源国通貨が対ドルでさらに反発する可能性がある。その影響が他の通貨ペアに波及すれば、ドルロング調整地合いが加速するだろう(USD/JPYだけは株高を背景に上値トライが想定される)。
ただ、対ユーロでのドルロング調整は限定的となろう。直近の株高傾向にもかかわらず、ECBの緩和強化観測を背景に独金利の低下が止まらないためだ(昨日独2年債利回りは過去最低水準に並ぶ局面が見られた)。EUR/USDの反発には米独金利差が縮小することが条件だが、現在の株高局面では米金利への上昇圧力だけが強まりやすい環境にある。つまり「株高=米独金利拡大要因」であることから、ポジション調整を背景としたユーロ買い・ドル売りとなっても、10日MAもしくは1.08前半レベルまでの反発が限界か。
比較チャート:EUR/USDと米独利回り
出所:Thomson Reuters Eikon