米中貿易協議が進展しているにも関わらず、25日の原油価格は下落した。
24日にドナルド・トランプ米大統領は、週末の米中貿易協議で大きな進展があったとし、中国製品に対する関税の引き上げを延期すると表明した。また、このまま進展していく場合、トランプ大統領と習近平国家主席は最終合意を締結するだろうとトランプ大統領は述べた。
トランプ大統領のツイートを受けて、アジア株式市場は前場で上昇しており、特に中国株式市場は約4%高であった。しかしながら、原油価格はほぼ横ばいである。
日本時間午後4時07分時点で、米WTI原油先物価格は0.1%安で57.2ドルとなっている。22日のWTIは11月16日ぶりの高値である57.81ドルを記録し、先週1週間で約3%高となっている。
ブレント原油先物価格は0.21%安の67.11ドルとなっている。22日には約3ヶ月ぶりの高値である67.73ドルを記録し、先週1週間で約1.3%高となっている。
本日の原油価格は下落しているが、年初来では約25%高となっている。世界の2大石油消費国である米国と中国が通商協議で合意に達するとの期待感が、原油価格の追い風となっている。
一方、OPECやOPECプラスによる協調減産も原油価格にとって好材料となっている。
昨年12月、OPECとOPECプラスは2019年上半期に、日量計120万バレルとなる協調減産を行うことで合意した。
OPECの事実上の盟主であるサウジアラビアは12月の合意以上に減産していくことを公約した。
他方、世界最大手の原油商社であるビトル・グループのラッセル・ハーディCEOは「原油の供給は第3四半期までにかなり減るだろう」と述べ、市場の注目を集めた。
「OPECの決定、イランへの経済制裁、ベネズエラの政局不安は原油供給が減っていくことを意味している」とハーディCEOはブルームバーグの取材に答えた。
「今年の第4四半期までに市場の方向性について疑問符が付く可能性がある」とハーディCEOは付け加えた。