[ニューヨーク 6日 ロイター] - 米国時間6日の取引で、北海ブレント原油先物が4%下落し、1バレル=30ドルを割り込んだ。米WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)原油先物も下げ、引き続き20ドル台で取引を終えた。
週間統計で米原油在庫は小幅増となった一方、ディスティレート(留出油)在庫が急増。石油輸出国機構(OPEC)主導の協調減産の効果や、一部の国で新型コロナウイルス関連の経済封鎖が解除されることによる燃料需要回復への期待感が相殺された。
ブレント原油先物 (LCOc1)の清算値は1.25ドル(4%)安の1バレル=29.72ドル。7営業日ぶりに下げた。
米WTI原油先物 (CLc1)清算値は0.57ドル安の23.99ドル。
ブレント原油先物は4月22日に記録した21年ぶり安値から2倍近くまで戻したが、市場はOPECとロシアなどの主要産油国が合意した5月1日からの協調減産(日量970万バレル)の効果を注視している。
市場筋や業界筋によると、イラクは原油輸出の削減について買い手に通知しておらず、減産合意の完全な履行が困難な可能性が示唆されている。
米エネルギー情報局(EIA)の週間石油在庫統計によると、米原油在庫は15週連続で増加。増加幅は前週比460万バレルでロイター調査のアナリスト予想(780万バレル)より小幅だった。米留出油在庫は前週比950万バレル増と、予想(290万バレル増)以上に急増した。
アゲイン・キャピタル(ニューヨーク)のパートナー、ジョン・キルダフ氏は、原油在庫の積み増しが小幅にとどまったことは支援材料だが、留出油在庫の大幅増は航空便や長距離輸送の燃料需要の欠如を表しており、経済や需要の先行きは見通せないと指摘した。
燃料在庫の増加は、需要の回復が緩やかにとどまり、市場で供給過多が続いていることを示している。