[フィリピン 3日 ロイター] - フィリピンのドゥテルテ大統領は同国の電源構成に原子力を加える大統領令に署名した。石炭火力発電所の段階的な廃止に備える狙いがある。
季節的な停電と高い電気料金に苦しむ経済にはプラスとなるが、反対派からは懸念する声が上がっている。
大統領令は「政府は国家の電源構成に原子力エネルギーを加えることを約束する」とした。停止中のバターン原子力発電所の稼働を省庁横断パネルが検討するよう求めている。
ドゥテルテ氏は気候変動対策のために石炭火力発電所の廃止を進める中で、原発をベースロード電源の有力な代替手段として活用する意向を示した。
バターン原発は旧マルコス政権下で1984年に完成したが、マルコス氏の退陣やチェルノブイリ原発事故の影響で稼働されなかった。2009年以降は観光地となっている。
ドゥテルテ氏の任期はあと3カ月で終了する。地元メディアによると、マルコス氏の息子で次期大統領の有力候補フェルディナンド・マルコス氏はバターン原発計画を「再検討する」考えを示している。