火曜日のアジア時間序盤、原油価格は、投資家が米国の金融政策の行方に影響を与える可能性のある重要なインフレ・データを待っているため、ほとんど変動がなかった。また、6月2日に予定されているOPEC+総会での決定が強く期待されている。
ブレント原油の7月限は3セント安の1バレル83.07ドルとなった。取引量の多い8月限も4セント安の82.85ドルで引けた。一方、WTI（ウェスト・テキサス・インターミディエート）原油先物7月限は78.68ドルと、金曜終値から96セント（1.2％）上昇した。英米両国の祝日の影響で取引は低調に推移したものの、メモリアル・デーに当たる月曜日の米国の祝日まで取引は続いた。
月曜の取引では、米金利やインフレ問題への懸念から原油価格が1％強の上昇となった。
楽天証券の商品アナリスト、吉田悟氏は「投資家は利下げのタイミングを見極めるため、米国のインフレデータに注目している」と指摘。また、市場は今後のOPEC+会合を注視していると述べた。吉田氏は、産油国の自主的な減産継続と米国の金融緩和の可能性に支えられ、原油価格は今後上昇トレンドになると予想している。また、米国のドライブシーズンが始まることも支援材料として挙げた。
5月31日に発表される米個人消費支出指数は、FRBが好んで使用するインフレ指標であるため、米連邦準備制度理事会（FRB）の金利政策を示唆するものとして注視されている。
投資家は、水曜日に発表されるドイツのインフレ・データと金曜日に発表されるユーロ圏のインフレ・データにも注目している。これらのデータは、トレーダーが翌週に期待している欧州の利下げについてヒントを与える可能性がある。
また、6月2日に開催されるOPEC+のオンライン会合にも注目が集まっており、生産国は日量220万バレルの自主的な減産を今年後半まで延長する可能性について協議する。OPEC+諸国の情報筋は、減産延長の可能性が高いことを示唆している。
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