[東京 28日 ロイター] - トヨタ自動車 (T:7203)が28日に発表した2020年7月の世界生産台数は、前年同月比10.2%減の69万1091台だった。新型コロナウイルス感染拡大による新車需要の減退やそれを受けた一部の生産調整が響いた。ただし、減少幅は5月の54.4%減、6月の24.0%減から着実に縮小している。
トヨタの7月の世界販売は12%減の74万7300台だった。同社は販売回復のペースを7―9月に前年同期に比べ約15%減、10―12月で約5%減、来年1―3月に約5%増と見込んでいるが、7月は「この想定を上回るペースで回復している」(広報担当者)という。
地域別の生産は、中国が前年同月比31.3%増だった。多目的スポーツ車(SUV)「RAV4」やセダン「カムリ」などの売れ行きが好調だった。北米は18.5%増。コロナの影響で3月以降は前年割れが続いていたが、5カ月ぶりに増加に転じた。市場全体が回復しており、ライトトラックのほか、SUV「ハイランダー」やカムリなどのハイブリッド車(HV)の好調が寄与した。
一方、欧州は24.9%減。販売は14.5%増と回復してきているが、フランスで新型「ヤリス」の切り替えによる一時的な生産減があったことが響いた。
日本は22%減だった。トヨタでは7月も一部の国内工場で生産調整を続けており、減産規模は当初計画の約1割減を想定済み。同社は「計画並みに進捗しており、他地域に比べて回復が遅れているという認識はしていない」(広報担当者)としている。
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(白木真紀)