[シンガポール 9日 ロイター] - アジア時間の原油先物は小幅高。ドル安が下支え要因となっている。ただ、投資家は供給拡大と新型コロナウイルス感染拡大が燃料需要に与える悪影響に神経質となっている。
0106GMT(日本時間午前10時06分)時点で、北海ブレント原油先物6月限は0.07ドル(0.1%)高の1バレル=63.27ドル。米WTI原油先物5月限は0.17ドル(0.3%)高の59.77ドル。
ANZのアナリストは「米ドル安と米国債利回りの低下が商品市場への買いを促した」と指摘した。
両先物とも、今週は2%―3%下落する基調にある。石油輸出国機構(OPEC)加盟国とロシアなどの非加盟国で構成する「OPECプラス」が1日、5月以降に供給を段階的に増やすことで合意したことを受けた。
一方、アナリストは、国際的な原油在庫は減少が続くと予想している。年後半には景気回復の勢いが強まり、燃料需要が増加するとみられるためだ。
ただ、世界各地で新型コロナウイルス感染抑制に向けたロックダウン(都市封鎖)が再導入されたことや、ワクチン接種を巡る問題から、石油需要の見通しが変わるのではないかという懸念も浮上している。
Axiのチーフグローバル市場ストラテジスト、スティーブン・イネス氏は、投資家がこれらの要因を考慮する中で、原油価格は60─70ドルの間で推移するとの見通しを示した。