JPモルガンは金曜日、世界最大のオプション・先物取引所を運営する金融市場会社CMEグループ株のスタンスを調整した。新規参入のFMX取引所との競争激化が予想されるなかでの修正だ。
FMX取引所は、ボストン・コンサルティング・グループ（BCG）が支援し、金利のトップマーケットメイカー7社と大手デリバティブディーラー3社を含むコンソーシアムが支援する新プラットフォームだ。FMXはJPモルガンをエクイティ・パートナー に迎え、夏の終わりまでに外国為替（FX）に特化したオプシ ョンと先物商品を導入する予定だ。
FMX取引所は、フェニックス・プラットフォームを通じて現物レー ト取引で30％近い市場シェアを獲得し、CMEの犠牲の上 で成功を収めることを目指している。FMXのテクノロジー主導のアプロー チは同社の成長の重要な要因であり、今度の立ち上げは、金利分 野における同社の能力をさらに活用するものと期待される。
CMEの見通しを再評価したのは、JPモルガンが最近、ハワード・ルトニック会長やFMX先物取引所のロバート・アレン社長らFMXの幹部と交流したことが影響している。JPモルガンは更なるデューデリジェンスに基づき、FMXがCMEの市場地位にとって大きな競争上の脅威となるとの見方を強めた。
投資家はFMXの市場参入の潜在的な意味合いとCMEの将来の業績への影響を考慮するため、このニュースはCMEグループの株価に影響を与える可能性がある。目標株価の引き下げは、こうした動きを踏まえてJPモルガンがCMEの株式価値に対する予想を修正したことを反映している。
他の最近のニュースでは、CMEグループは複数のアナリストのレポート の焦点となっており、好調な財務数値を報告している。シティとUBSは、CMEグループのマージン効率の優位性と、高水準の金利と地政学的不確実性が続くとの見通しを強調し、それぞれ240ドルと250ドルの目標株価を付けて、同社の「買い」レーティングを再確認した。
一方、ローゼンブラット・セキュリティーズは、目標株価を187.00ドルに引き上げたものの、同社株の「売り」レーティングを維持し、競争の激化と同業他社に比べ低い成長率への期待を挙げている。
業績面では、CMEグループは2024年第1四半期に過去最 高の1日平均取引高（ADV）と収益を達成し、好調な業績を報告 した。ADVは2,460万枚を記録し、非米国のADVも740万枚 と新記録を樹立した。収益は前年同期比30％増の約15億ドルに急増した。
その他の最近の動きとしては、ゲーリー・ゲンスラーSEC 委員長が米国債の清算における競争導入の支持を表明した。
これは、SECが米国債市場のシステミック・リスクを 低減させるために新たな規制を導入し、清算機関を通 じて処理される取引の数を増やすことを義務づけたためであ る。CMEグループは、米国債の清算を含むサービスの拡大に関心を示している。
インベスティング・プロの洞察
CMEグループがFMX取引所からの競争圧力に対処 する中、投資家は同社の財務指標と市場パフォーマンスを注 視している。インベスティング・プロのデータによると、CMEグループの時価総額は現在714.7億米ドルで、PERは22.54となっており、同社の収益力に対する投資家のセンチメントを反映している。特筆すべきは、同社が4.96%という堅固な配当利回りを維持していることで、5年連続の増配と22年にわたる配当支払いを維持し、株主還元へのコミットメントを証明している。
インベスティング・プロのヒントは、CMEのPERが目先の 収益成長に対して高いにもかかわらず、アナリストは今期 の収益性を楽観視していることを強調している。さらに、CMEの過去12ヶ月間の収益性の歴史と過去10年間の高いリターンは、同社の長期的な価値創造について投資家を安心させる要因である。
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