金融サービス会社のスティーフェルは、IBM（NYSE:IBM）の株価目標を従来の205ドルから246ドルに引き上げ、同社株に対する「買い」評価を維持しました。同社のアナリストは、IBMの第3四半期は通常弱いものの、収益成長よりも1株当たり利益（EPS）がわずかに上回る可能性が高いと指摘しました。
アナリストは、有利な為替レートがIBMの今後の四半期の収益にプラスの影響を与える可能性があると指摘し、2024年第3四半期に+140ベーシスポイント（bp）、2024年第4四半期に+120bp、2025年に+50bpと予想しています。2025年の見通しは引き続きポジティブで、ソフトウェアの買収によりセグメント収益の成長率が4%、IBMの連結成長率が約2%上乗せされると予想されています。
2025年は、エンタープライズ・ライセンス契約（ELA）の更新が活発な年になると予想され、収益と利益率にプラスの影響を与えるでしょう。さらに、新しいメインフレームサイクルにより、2025年にはインフラストラクチャセグメントで大幅な成長が見込まれています。一方、コンサルティングは2024年が景気循環の底となる可能性があり、既知のコスト対策により利益率が改善し、2025年の税引前利益（PTI）マージンに40bp以上貢献すると予想されています。コンサルティングの粗利益率の継続的な改善は、現在同業他社を600bp下回っているため、機会と見られています。
スティーフェルは、2025年のIBMの一定為替レートベースの収益とEPS成長率を約5%と予想しており、これはコンセンサスと一致しています。これにより、フリーキャッシュフロー（FCF）は約130億ドルと予想され、前年比7-9%の増加となります。これらの予想には、HCPの買収による潜在的な希薄化は含まれていません。HCPの買収はEPSとFCFにそれぞれ0.15-0.20ドルと1億5000万-2億ドル、つまり約1.5%の影響を与えると推定されています。
アナリストは最後に、IBMの株価が過去15ヶ月間で大幅に再評価されたことを指摘しました。非レバレッジドフリーキャッシュフロー（UFCF）の13倍から17倍に上昇しており、これは同社の業績と成長見通しの改善、市場のローテーション、2025年の好ましい見通しを反映しています。株価は2.9%の配当利回りを持つ堅実な防御的成長銘柄であり続けていますが、決算発表を前に若干過度に上昇しており、潜在的な弱さが見られた場合にはより魅力的になると考えられています。
その他の最近のニュースでは、IBMは資産パフォーマンス管理ソリューションのプロバイダーであるPrescintoを買収し、資産管理能力を大幅に強化しました。この戦略的な動きは、IBMのMaximo Application Suiteに高度な分析とAI駆動の自動化を導入し、再生可能エネルギー運用を強化することを目的としています。
IBMはまた、量子コンピューティングの分野でも大きな進展を遂げており、IBM Quantum Heronプロセッサーの導入により大幅な性能向上を実現しています。さらに、IBMの最近のKubecostとAccelalpha買収により、ハイブリッドクラウドのコスト管理能力の拡大とオラクルコンサルティング能力の強化が期待されています。
Evercore ISIはIBM株に対する「アウトパフォーム」評価を再確認し、コンサルティング市場の潜在的な安定化を示唆しています。同社はまた、NASAやオークリッジ国立研究所との戦略的コラボレーションにも積極的で、気候予測のための新しいオープンソースAIモデルを立ち上げました。
InvestingPro Insights
IBMの最近の業績と将来の見通しは、InvestingProの主要な指標とインサイトと密接に一致しています。同社の株価は過去1年間で73.99%、年初来で46.43%のトータルリターンを示しており、これはスティーフェルが指摘した過去15ヶ月間のIBMの大幅な再評価を裏付けています。
InvestingPro Tipsは、IBMの株価が52週高値の98.14%で取引されており、52週高値に近いことを強調しています。これはスティーフェルの評価と一致しており、決算発表前に株価が若干過度に上昇している可能性があることを示唆しています。さらに、IBMのP/E比率25.37とPrice / Book比率8.93は、株価がプレミアムで取引されていることを示唆しており、これはスティーフェルが指摘した業績と成長見通しの改善によるものと考えられます。
同社の配当利回り2.87%はスティーフェルが言及した2.9%とほぼ一致しており、IBMが防御的成長株としての魅力を持っていることを裏付けています。さらに、IBMは54年連続で配当を維持し、28年連続で配当を増加させており、株主還元への取り組みを示しています。
より包括的な分析を求める投資家のために、InvestingProはIBMに関する12の追加のヒントを提供しており、同社の財務健全性と市場ポジションについてより深い理解を得ることができます。
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