[7日 ロイター] - 米国で4月から5月にかけ、新型コロナウイルス感染が食肉・鶏肉加工施設の労働者を直撃し、感染者が約1万7000人、死者は約100人に上っていたことが米疾病対策センター(CDC)の調査で分かった。
農村部にある多くの食肉加工施設では、労働者が長時間、密閉された空間の中で互いに密接しながら作業することを余儀なくされ、これが感染拡大の温床になったという。
CDCは5月末にかけて23州の保健当局から得たデータを基に報告書を作成。それによると、食肉・鶏肉施設での感染者は1万6233人、死者は86人。うち87%は人種・民族的少数者(マイノリティー)が占めたほか、感染者の12%が無症状だった。また全ての施設でコロナ検査を実施していないことから、実際の感染者は相当増える可能性があるとした。
CDCが当初まとめた4月27日までの食肉加工施設のデータを合わせると、5月末にかけての感染者数は1万7358人、死者は91人に上った。
ほとんどの施設では、労働者のスクリーニング検査に加え、マスクや手指消毒剤の提供、作業機器の消毒といった安全対策が行われているという。報告書では、今回の調査で得られた教訓を他の食品生産や農業施設に生かすことができるとした。