[北京 28日 ロイター] - 関係筋によると、中国で医療関係者など新型コロナウイルスの感染リスクが高い人を対象にしたプログラムの一環として、同国のバイオ医薬品シノバック・バイオテック(科興控股生物技術) (O:SVA)のワクチン候補「コロナバック」の緊急使用が承認された。
中国医薬集団(シノファーム)傘下の中国生物技術(CNBG)も23日にソーシャルメディアプラットフォームの微信(ウィーチャット)で、ワクチン候補が緊急使用許可を得たと発表した。
CNBGは2つのワクチン候補が臨床試験(治験)の第3段階にあるが、どちらの候補が緊急使用許可を得たのかは明らかにしていない。
中国は7月から新型コロナの感染リスクが高い人に実験段階にあるワクチンを投与しており、保健当局者は22日に放送された国営テレビのインタビューで、今秋から冬に懸念される感染拡大リスクに備え、緊急使用プログラムを拡大することを検討する可能性があると述べていた。
国営の新華社は28日夜、7月に開始された緊急使用プログラム向けに2つのワクチン候補が6月に承認されたと報じた。どのワクチンかについては特定していない。
中国は同プログラムの下で投与されているワクチンや何人に投与したかについて、公式には詳細をほとんど発表していない。
中国共産党系メディアの環球時報は6月、海外に出張する国営企業の従業員は、CNBGのワクチン候補2つのどちらかを接種できると報じた。また、同月末には中国のカンシノ・バイオロジクス(康希諾生物)が、人民解放軍の軍事科学院と共同開発している新型コロナワクチンを同軍に限定して使用する承認を得たと発表した。
新型コロナのワクチン候補で、一般利用に向けに安全性や有効性を確認する最終段階の大規模な治験を終えたものは、まだない。
世界ではこの最終段階の治験に入っているワクチン候補は7つあり、このうち4つが中国の候補となっている。