[シドニー 31日 ロイター] - 豪ビクトリア州が31日に発表した新型コロナウイルスの新規感染者は73人と、7月3日以来、約2カ月ぶりの低水準となった。同州のアンドリュース首相は、厳格なロックダウン(都市封鎖)の緩和方法を今週末に明らかにする方針を示した。
ビクトリア州の州都メルボルンは、夜間外出禁止令や大半のビジネスの休業などを伴う6週間の厳格なロックダウンの4週目に入った。封鎖措置は9月13日に終了する予定で、新規感染者数が減少していることも踏まえ、アンドリュース首相は9月6日に段階的な封鎖緩和計画について明らかにすると表明。
「できるだけ正常なクリスマスを迎えられるようにしたい」とした上で、性急な封鎖緩和には慎重な姿勢を示した。
ビクトリア州が31日に発表した新たな死者は41人で、豪国内の1日当たりの死者としては過去最多を記録した。ただこれには、27日までの数週間に高齢者介護施設で確認された22人の死者も含まれている。全国の1日当たりの死者は、今月25日に記録した25人がこれまでの最多だった。
全国の累計感染者数は約2万6000人、死者は652人となった。
オーストラリアは新型コロナの感染者や死者数が他の先進国と比べれば少なくとどまっているが、感染拡大抑制のための措置が経済に大きな打撃を及ぼしている。人口が2番目に多いビクトリア州で制限措置が緩和されれば、経済を後押しするとみられる。
フライデンバーグ財務相は、連邦政府はこれまでに国内総生産(GDP)の15.8%前後に相当する約3140億豪ドル(2310億米ドル)の景気支援策を発表しているとし、500億豪ドルに満たない州政府は支出を拡大する必要があると述べた。
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