[シカゴ 14日 ロイター] - 英製薬大手アストラゼネカ (L:AZN)は米国での新型コロナウイルスワクチンの臨床試験(治験)について、英国で確認された深刻な副作用とみられる症状に関する米当局の調査が完了するまで中断を続ける方針。関係筋が明らかにした。
同社は英オックスフォード大学と共同でワクチン開発を進めているが、被験者1人に説明できない疾患が生じたため、治験を全世界で中断した。報道によると、疾患が生じたのは英国の被験者で、横断性脊髄炎に関連する症状が見られたという。
アストラゼネカは12日、中断していた英国での新型コロナウイルスのワクチンの治験について、英政府当局から承認を得て再開したと発表した。
これに対し、米国での治験は食品医薬局(FDA)などが調査を終了するまで治験は中断される。
関係筋によると、米国での新規患者登録や治験手続きは少なくとも週半ばまで延期される見込みで、FDAの調査にかかる時間も明らかではないという。
アストラゼネカは米国での治験再開時期についてコメントに応じなかった。
同社の治験はブラジルでも再開されたが、南アフリカとインドでの再開時期はまだ分かっていない。