By Noreen Burke
Investing.com - 世界で新型コロナウイルスの第2波が懸念される中、米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は今週に半年に一度の議会証言が控えている。今週の経済指標としては、小売売上高、新規失業保険件数、鉱工業生産、住宅着工件数などがある。また、英国の4月GDPでは20%減となり、イングランド銀行は景気刺激策を拡大することが予想されている。欧州連合(EU)では、ブレクジット協議やコロナ復興基金計画を議論するEU首脳会議があり、今週も忙しい一週間となりそうだ。本記事にでは、今週に注目するべき5つのイベントとりあげる。
パウエルFRB議長の議会証言
パウエルFRB議長は、16日から17日にかけて半期に一度の議会証言を行う。新型コロナウイルスの懸念の中での米経済の見通しや、現行ペースで債券購入を継続することについてより明確な言及が期待されている。
先日のFOMCは、2020年の国内総生産(GDP)は6.5%に縮小、失業率は9.3%となる見通しを示した。今年下半期から景気回復が始まるとの見解の一方、新型コロナウイルスの第2派・第3波が米国経済に大打撃を与える可能性も示した。
米国小売売上高、新規失業保険申請件数
5月の米国小売売上高は16日(火)に発表される予定で、景気回復の兆しを測るものとなるだろう。4月の小売売上高は過去最悪の前月比16.4%減となったが、エコノミストは多くの州でロックダウンが終了したことで前月比8%と予想している。
新規失業保険申請件数は18日(木)に発表される。先週では10週連続の減少となり、150万件となった。一方、失業率は現在13.3%と歴史的な高水準にとどまっている。
バリュー株の上昇は続くか?
米国経済がコロナウイルスの影響から回復が始まると、一部のファンドマネージャーは近年パフォーマンスが低かったバリュー株に注目している。
バリュー株は10年以上続いた強気相場の中で、成長株よりパフォーマンスが下回る傾向があった。先月のS&P 500バリュー指数の上昇率はわずか4.5%であったのに対し、S&P 500グロース指数の上昇率は5%であった。
しかし、今後は世界的に成長に懸念があると、投資家はバリュー(割安さ)に注目が集まる可能性があるだろう。
イングランド銀行(BOE)、景気刺激策を拡大へ
英国では4月のGDPが20%減となり、経済規模は2002年と同水準となった。今年は300年で最大の縮小となる可能性があるという。
イングランド銀行(英中央銀行)では18日に金融政策委員会が開かれる。この会合ではは資産買い入れ枠を1000億ポンド拡大されることが予想されている。一部のエコノミストの予想では2000億ポンドになる可能性も言及している。
今回の政策金利では据え置きが予想されているが、一部エコノミストは年後半にゼロに引き下げを予想している。
英国の経済指標では失業率、消費者物価指数(CPI)、小売売上高、ライトムーブ住宅価格指数 の公表が予定されている。
EUは忙しい週
ジョンソン英首相は15日(月)、欧州委員会のフォンデアライエン欧州委員長とテレビ会議形式で会談し、延長拒否の決定を改めて伝える見通しである。
そして18日(木)と19日(金)の欧州理事会(EU首脳会議)では、復興基金の最終合意を目指している。
ほとんどの加盟国は復興基金を支持しているが、「Frugal Four」と呼ばれるオランダ、オーストリア、デンマーク、スウェーデンは懐疑的な姿勢を崩していない。この復興基金案は全EU国が合意しなければならず、いかなる計画の遅れもユーロが下落する要因となるだろう。