[東京 27日 ロイター] - 日銀が27日発表した6月の企業向けサービス価格指数は、前年比で1.4%上昇した。4カ月連続のプラスで、基調として緩やかな回復の動きが続いている。最もプラス方向に寄与したのは「広告」。テレビ広告を中心に大きく売り上げが落ち込んだ前年の反動が出た。
テレビ広告(スポット)は飲料、情報通信などで出稿が戻り、売り上げが伸びたという。
公表している146品目のうち、前年比上昇したのは78品目、下落したのは40品目だった。上昇品目数が下落品目数を38品目上回った。
前年比のプラス幅は5月(1.5%上昇)から小幅に縮小した。昨年6月は1回目の緊急事態宣言が解除され、経済活動の再開を通じてサービス価格の下落圧力はやや和らいでいた。一方、今年は20日まで10都道府県を対象に宣言が出され、21日以降もまん延防止等重点措置がとられていた。「不動産」や「広告」が前年比のプラス幅を縮小させ、マイナス方向に寄与した。
日銀の担当者は、サービス価格は、企業間で売買される物品の価格に比べると回復は緩やかだと指摘した。その上で「今後も変異株を含む感染症の動向は不透明感が強い。ワクチン接種が進捗するもとで企業間のサービス価格に与える影響を注意深くみていきたい」とコメントした。
(杉山健太郎)