[ブラジリア 4日 ロイター] - ブラジル中央銀行は4日に開いた金融政策委員会(COPOM)で、政策金利を4.25%から5.25%に引き上げた。100ベーシスポイント(bp)の利上げ幅は2003年以来で最大。決定は全会一致だった。
インフレ率が中銀の目標を大幅に上回って推移する中、物価の正常化に向け「中立金利」を超えて利上げする用意があると表明した。
ロイター調査ではエコノミスト46人のうち37人が100bpの利上げを予想していた。中銀は前回までの3会合連続で75bpの利上げを実施している。
COPOMは声明で「現時点で、COPOMの基本シナリオとリスクバランスは、中立を上回る水準への政策金利の引き締めサイクルが適切だと示している」と説明。
「インフレ期待を確実に定着させるには、一段と迅速な金融調節が現時点で最も適切な戦略だと理解している」とした。
COPOMは基本シナリオとして、インフレ率が今年約6.5%、来年が3.5%、2023年が3.2%になると予想。政策金利が今年末時点と来年を通して7.00%となり、23年は6.50%に低下するとの前提を置いている。
中立金利はインフレ高進を招くことなく最大雇用と経済生産高の最大化を促進する水準とされている。ブラジルでは中立金利は物価変動の影響を除いた実質ベースで約3%と考えられている。中銀の22年のインフレ目標である3.5%が達成されるとの前提を置けば、政策金利を6.5%前後に設定すれば中立金利となる。
●ここから●バンコ・インテルのチーフエコノミスト、ラファエラ・ビトリア氏は、中立金利を超える利上げを約束することで、経済成長にブレーキがかかるとともに通貨が上昇し、インフレ抑制に寄与すると指摘。「声明では、COPOMがインフレを懸念していることが非常に明確になった。特にサービス業のインフレは予想より手ごわい。COPOMは2022年のインフレ期待が制御できない状態になることを懸念している」と述べた。