[ベルリン 5日 ロイター] - ドイツ連邦統計庁が5日発表した6月の鉱工業受注指数は、季節調整済みで前月比4.1%上昇した。
主に国内の顧客から産業用大型機器の受注が増えた。ロイターがまとめた市場予想は1.9%上昇。5月は3.7%低下から3.2%低下に修正された。
大型受注を除く製造業新規受注は、前月比1.7%増だった。
経済省によると、国内受注は10%近く急増。データ処理機器、レンズシステム、航空機、船舶に異例の旺盛な需要があった。「重要な自動車・機械工学部門でも受注が増加した」という。
バンクハウス・ランペのアナリスト、Bastian Hepperle氏は「受注残高は高水準だが、現在続いている中間財・素材の供給制約で、すぐには処理できないだろう」と述べた。
統計局によると、6月の製造業生産は、前月比(季節・労働日数調整後)で1.4%減少しており、受注が増加しても生産が増加していないことが浮き彫りとなった。
Hepperle氏は、製造業について、供給面の制約で今後も生産が抑制され、第3・四半期も景気の回復ペースを鈍化させる要因になる公算が大きいと指摘した。
自動車など多くの産業では、半導体不足の影響で生産が停滞しているが、VPバンクのエコノミスト、トマス・ギッツェル氏は「熟練労働者の不足も、以前にも増して目立つようになってきている」と述べた。
現在の景気回復を支えているのは小売売上高。新型コロナウイルス対策の制限措置の解除で5月と6月の小売売上高は急増した。
IHSマークイットが4日発表した7月のドイツのサービス部門購買担当者景気指数(PMI)改定値は過去最高となり、内需が引き続き好調なことが浮き彫りとなった。