[マニラ 5日 ロイター] - 世界銀行は5日に公表した報告書で、2022年の東アジア・太平洋地域の成長率を5.0%と予想し、昨年10月時点の見通し(5.4%)を下方修正した。ロシアのウクライナ侵攻に伴う経済的な影響を考慮した。
状況がさらに悪化し、政府の政策対応が弱かった場合、4.0%に鈍化する可能性もあると警告した。
中国経済の成長率予想も5.4%から5.0%に引き下げた。ただ、ショックを相殺する景気刺激策を打ち出す政府の能力にも言及した。
中国を除いた同地域の成長率予想は4.8%。
世銀の東アジア・太平洋地域担当チーフエコノミスト、アディティヤ・マトゥー氏は「この地域は、成長の勢いを損なう恐れのある3つのショックに直面している」と指摘。
ロシアとウクライナの戦争が成長見通しに対する「最も深刻なリスク」だとし、世界中で食品・燃料価格の上昇や金融市場の変動、信頼感低下につながっているとした。
中国の景気減速や、米金融引き締め加速につながる可能性があるインフレ高進にも言及した。
また、世銀のマヌエラ・フェッロ副総裁(東アジア・太平洋地域担当)は、地域経済が新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)による影響から回復しつつある矢先に、ウクライナでの戦争が成長の足かせになっている」と指摘。
その上で、「概して強いファンダメンタルズと健全な政策によって、困難を乗り切ることができるだろう」と述べた。