[30日 ロイター] - <為替> ユーロが対ドルで下落し、一時2年半ぶりの安値を付けた。域内経済への懸念が広がり、ユーロ相場の重しとなった。一方、季節要因に加え、米中貿易摩擦を巡る不透明感からドル相場は底堅く推移した。
9月のドイツの消費者物価指数(CPI)は前年比の伸びが0.9%と3カ月連続で鈍化し、2016年11月以来の低い伸びにとどまった。また関係筋によると、ドイツの主要な経済研究機関が2019年の経済成長率見通しを従来の0.8%から0.5%へ引き下げた。
ユーロ/ドル (EUR=)は0.36%安の1.0899ドル。一時1.0883ドルと2017年5月以来の安値を付けた。
中国外務省は30日、中国と米国の「デカップリング(切り離し)」を進めれば、国際金融市場が不安定になると警告した。複数の関係筋によると、トランプ米政権は米国の証券取引所に上場している中国株の上場廃止を検討している。ブルームバーグによると、米財務省は「現時点で」中国企業の上場を阻止する計画はないとコメントとした。[nL3N26L2I1]
トランプ大統領の弾劾訴追を巡る不透明感も安全資産としてのドル買いを誘ったという。トランプ大統領は30日、下院情報特別委員会のシフ委員長(民主党)が「反逆罪」で逮捕されるとの考えを示唆し、自身に対する弾劾調査を進める議員らへの圧力を強めた。[nL3N26L3RR]
<債券> 国債利回りがほぼ横ばいだった。序盤の取引では利回り曲線(イールドカーブ)がスティープ化したが、月末と期末の売買でその後フラット化した。
貿易を巡る懸念などでリスク選好度が低下する中、午前は長期債利回りが短期債に比べ上昇。ただ、各利回りは終盤までに前週末の水準近辺となった。
米2年債利回り (US2YT=RR)は約0.5ベーシスポイント(bp)上昇の1.628%。10年債利回り (US10YT=RR)は0.4bp上昇の1.677%。2年債と10年債の利回り格差は4.7bp。この日は一時6.2bpまで広がった。
BMOキャピタル・マーケッツの金利ストラテジスト、ジョン・ヒル氏は、序盤のイールドカーブスティープ化について、欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁が英フィナンシャル・タイムズ紙(FT)とのインタビューで、ユーロ圏の長期成長見通しを支援するために財政政策が必要だと訴えたことが要因と指摘。また、日銀がこの日、10月の長期・超長期債の1回当たりのオファー額レンジを下方修正したことも言及した。
<株式> 上昇して取引を終えた。米中貿易摩擦を巡る懸念が後退し、アップルやマイクロソフト、メルクなどが堅調に推移した。
アップル (O:AAPL)は2.4%急伸。新型iPhoneについて、クック最高経営責任者(CEO)が好スタートを切ったとドイツ紙に明かしたほか、JPモルガンが出荷予想を引き上げた。
マクロソフト (O:MSFT)は0.9%高。これらの銘柄の上げが支援し、S&P情報技術セクターは1.0%上昇、他のセクターをアウトパフォームした。
トランプ政権が米国の証券取引所に上場する中国株の上場廃止を検討しているとの報道について、ナバロ米大統領補佐官(通商製造政策局長)が「フェイクニュース(虚偽の報道)」だと述べたことも、米株市場の地合いを支援した。
この報道を受けてS&P総合500種 (SPX)とナスダック総合 (IXIC)は27日、約3週間ぶりの安値を付けていた。
米市場に上場する中国株の電子商取引大手アリババ・グループ・ホールディング (N:BABA)、検索サイト百度(バイドゥ) (O:BIDU)も、ナバロ氏の発言を受けてそれぞれ0.8%、1.5%値上がりした。
<金先物> 対ユーロでのドル高を背景に売られ、大幅続落した。12月物の清算値は前週末比33.50ドル(2.22%)安の1オンス=1472.90ドル 外国為替市場では、対ユーロでドル高が進行。ドル建てで取引される金塊などの商品に割高感が生じ、金塊の重しとなった。
<米原油先物> 低調な中国指標やサウジアラビアの産油量回復の報に圧迫され、5営業日続落となった。米国産標準油種WTIの中心限月11月物の清算値は前週末比1.84ドル (3.29%)安の1バレル=54.07ドル。月間では1.87%安。12月物は1.81ドル安の53.98ドルだった。
ドル/円 NY終値 108.06/108.10
始値 107.92
高値 108.17
安値 107.90
ユーロ/ドル NY終値 1.0898/1.0902
始値 1.0920 (EUR=)
高値 1.0923
安値 1.0886
米東部時間
30年債(指標銘柄) 17時05分 103*00.00 2.1140% (US30YT=RR)
前営業日終値 102*24.50 2.1240%
10年債(指標銘柄) 17時05分 99*19.50 1.6680% (US10YT=RR)
前営業日終値 99*18.00 1.6730%
5年債(指標銘柄) 17時02分 99*25.00 1.5456% (US5YT=RR)
前営業日終値 99*24.50 1.5490%
2年債(指標銘柄) 17時05分 99*24.13 1.6257% (US2YT=RR)
前営業日終値 99*24.25 1.6240%
終値 前日比 %
ダウ工業株30種 26916.83 +96.58 +0.36 (DJI)
前営業日終値 26820.25
ナスダック総合 7999.34 +59.71 +0.75 (IXIC)
前営業日終値 7939.63
S&P総合500種 2976.74 +14.95 +0.50 (SPX)
前営業日終値 2961.79
COMEX金 12月限 1472.9 ‐33.5
前営業日終値 1506.4
COMEX銀 12月限 1699.8 ‐65.4
前営業日終値 1765.2
北海ブレント 11月限 60.78 ‐1.13 (LCOc1)
前営業日終値 61.91
米WTI先物 11月限 54.07 ‐1.84 (CLc1)
前営業日終値 55.91
CRB商品指数 173.9399 ‐1.7754 (TRCCRB)
前営業日終値 175.7153
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