[15日 ロイター] - <為替> 英ポンドが5月中旬以来の高値に上昇。英国と欧州連合(EU)が離脱交渉で合意に近づいているとの報道を受けた。
ブルームバーグは英国とEU双方の交渉担当が15日中の合意を望んでいると報道。ただ、EU当局者2人はロイターに、離脱協定文書草案で合意に近づいていると言うのは「時期尚早」とした。[nL3N2703ZJ]
ポンドは5月以来初めて200日移動平均線を上抜け、終盤の取引では1.35%高の1ポンド=1.278ドル。一時、5カ月ぶり高値の1.28ドルを付けた。
ポンドは対ユーロ (EURGBP=)でも5カ月ぶり高値を付け、終盤では1.34%高の0.863ポンド。
主要通貨に対するドル指数 (DXY)は0.15%安の98.309。この日のドルは、先週の米中通商部分合意を受けた楽観論が後退したことで上昇していたが、英EU交渉のニュースを受けて流れが反転した。
米中合意の楽観論後退を受けて中国人民元も下落し、オフショア市場では1ドル=7.083元。前日は7.051元と1カ月ぶり高値を付けていた。
<債券> 国債利回りが上昇。英国とEUが離脱交渉で合意に近づいているとの報道を受け、リスク選好度が高まり、安全資産としての債券需要が後退した。[nL3N2703ZJ]
指標10年債利回り (US10YT=RR)は一時1.773%と、9月20日以来の高水準に達した。
序盤の取引では、米中貿易摩擦を巡る先行き不透明感から利回りは低下していた。米中は前週末「第1段階」の通商合意に達したと発表。しかし、前日にはムニューシン米財務長官が12月15日に発動予定の対中追加関税について、その時までに中国と通商合意に達しなければ、発動の可能性はあると述べ、市場では貿易摩擦が近く解消されるという期待が後退した。[nL3N26Z2VJ]
米消費動向の力強さを見極めようと、16日発表の小売売上高統計が注目される。また、市場では29─30日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利下げが実施されるとの見方が強い。
<株式> 上昇して終了。企業決算が好調だったことで買いが先行した。
幅広い銘柄が上昇し、主要3指数はすべて上昇。S&P総合500種とナスダック総合は終値で約3週間ぶり高値を付けた。
地政学上の前向きな展開に加え、英国のEU離脱交渉を巡り双方が合意に近づいているという報道も市場で歓迎された。
企業決算では、金融大手のJPモルガン・チェース (N:JPM)、シティグループ (N:C)、ゴールドマン・サックス・グループ (N:GS)、ウェルズ・ファーゴ(Wファーゴ) (N:WFC)、医薬品・健康関連用品大手のジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J) (N:JNJ)、医療保険大手ユナイテッドヘルス・グループ (N:UNH)がこの日、四半期業績を発表した。
金融大手では、債券取引事業と引受事業の堅調さを受けて業績が予想を上回ったJPモルガンが過去最高値に上昇。3.0%高で取引を終えた。また、シティも利益が予想を上回り、1.4%上げた。[nL3N2703PQ][nL3N2703RC]
Wファーゴは、住宅ローン関連事業の収入が減少したことなどで利益が26%減少。また、ゴールドマンは引受事業の不調で利益が市場予想を下回った。それでも、Wファーゴが1.4%、ゴールドマンは0.3%それぞれ上昇した。[nL3N2703NX][nL3N2703PS]
処方箋薬の販売が好調だったJ&Jは通期の利益見通しを引き上げ、株価は1.6%高。ユナイテッドヘルスも薬剤給付管理の成長見通しを引き上げ、8.2%上昇した。
S&P500の主要11セクターのうち、9セクターが上昇。ヘルスケア (SPXHC)、通信サービス (SPLRCL)、金融 (SPSY)が上昇率上位だった。
動画ストリーミング用機器メーカーのロク(Roku) (O:ROKU)は11.5%急伸。同社のサービスで「アップルTV」アプリが使用可能になったほか、「アップルTV+」も使用可能になると発表した。
<金先物> 投資家のリスク選好意欲の改善を受けて、「安全資産」としての金が売られ、反落。中心限月12月物の清算値は前日比14.10ドル(0.94%)安の1オンス=1483.50ドル。
2019年7─9月期の米企業決算発表シーズンが始まる中、一部金融大手の堅調な業績を受けて市場のリスク投資意欲が改善した。米株価が上げ幅を拡大する半面、安全資産としての金の需要は縮小。金相場は早朝、心理的な節目である1500ドルを回復していたが、利益確定の売りなどで一時1480.80ドルまで下落した。外国為替市場で朝方、ドルが対ユーロで堅調に推移し、ドル建てで取引される金に割高感が生じたことも下押し要因となった。
ただ、米中貿易協議を巡っては、米国が「第1段階の合意」(トランプ米大統領)と成果を強調したのに対し、中国は詳細について一段の協議を持つことを望んでいるとの報が流れ、進展への期待が剥落。先行き不透明感は根強い。このため、売り一巡後は下げ渋る展開となった。
<米原油先物> 米中貿易協議の行方に引き続き注目が集まる中、続落した。米国産標準油種WTI中 心限月11月物の清算値は前日比0.78ドル(1.46%)安の1バレル=52.81ドル。12月物は0.77ドル安の52.88ドルだった。
中国税関総署が14日発表した9月の貿易統計によると、同国の輸出額は前年比3%減少。米中貿易戦争を背景としたエネルギー需要の先行きに警戒感が広がる中、原油は売りが先行した。トランプ大統領は前週末、米中協議について「第1段階の合意に達した」とし、15日に予定していた対中関税拡大を延期すると表明。ただ、12月15日に対中追加関税の第4弾が発動される懸念などはなおも払拭されていない。
また、民間と政府の在庫週報発表をそれぞれ16日夕と17日午前に控えて、米国内の原油在庫が5週連続で積み増しとなる見込みであることも相場の重しとなった。一方、石油輸出国機構(OPEC)のバーキンド事務局長が15日、協調減産履行率は136%だとした上で、市場の安定維持のためにできることはやると発言したとの報道が支援材料となり、下げ幅を縮小する場面もあった。
ドル/円 NY終値 108.84/108.87
始値 108.20
高値 108.89
安値 108.22
ユーロ/ドル NY終値 1.1031/1.1035
始値 1.1014 (EUR=)
高値 1.1044
安値 1.0992
米東部時間
30年債(指標銘柄) 17時05分 100*12.00 2.2327% (US30YT=RR)
前営業日終値 100*25.00 2.2140%
10年債(指標銘柄) 17時05分 98*22.00 1.7710% (US10YT=RR)
前営業日終値 98*27.00 1.7530%
5年債(指標銘柄) 17時05分 99*17.00 1.5987% (US5YT=RR)
前営業日終値 99*20.25 1.5770%
2年債(指標銘柄) 17時01分 99*24.38 1.6241% (US2YT=RR)
前営業日終値 99*25.00 1.6140%
終値 前日比 %
ダウ工業株30種 27024.80 +237.44 +0.89 (DJI)
前営業日終値 26787.36
ナスダック総合 8148.71 +100.06 +1.24 (IXIC)
前営業日終値 8048.65
S&P総合500種 2995.68 +29.53 +1.00 (SPX)
前営業日終値 2966.15
COMEX金 12月限 1483.5 ‐14.1
前営業日終値 1497.6
COMEX銀 12月限 1738.4 ‐32.6
前営業日終値 1771.0
北海ブレント 12月限 58.74 ‐0.61 (LCOc1)
前営業日終値 59.35
米WTI先物 11月限 52.81 ‐0.78 (CLc1)
前営業日終値 53.59
CRB商品指数 174.7493 ‐0.2382 (TRCCRB)
前営業日終値 174.9875 OLJPBUS Reuters Japan Online Report Business News 20191015T223621+0000