[19日 ロイター] - <為替> ドルの上昇が失速。第3・四半期の米国内総生産(GDP)確報値の発表を20日に控え、投資家は大きな動きに出ることに消極的となった。同日発表された低調な製造業指標や米下院でのトランプ大統領弾劾訴追可決には反応薄だった。
主要6通貨に対するドル指数 (DXY)は0.03%安の97.375。
ドルはユーロ (EUR=)や円に対し下落。対ユーロでは0.11%安の1.112ドル、対円でも0.26%安の109.23円。
ムニューシン米財務長官がこの日、米中が来年1月初旬に「第1段階」の通商合意に署名すると表明。通商合意は完了しており、現在行なわれているのはテクニカル上の「擦り合わせ」と述べた[nL4N28T3V1]ものの、さほど材料視されなかった。
ポンド/ドルは0.51%安の1.301ドル。イングランド銀行(英中央銀行)はこの日の金融政策委員会で、政策金利を0.75%に据え置くことを7対2で決定。12日投開票の総選挙でジョンソン首相率いる与党・保守党が圧勝したものの、中銀はこれにより欧州連合(EU)離脱を巡る先行き不透明性がどの程度解消するのか判断するのは時期尚早との見解を示した。[nL4N28T3FL]
<債券> 米経済指標が発する強弱入り交じるシグナルを読み取ろうとする動きの中、国債利回りが低下した。
終盤の取引で10年債利回り (US10YT=RR)は1.9ベーシスポイント(bp)低下の1.9047%。ただ一時は1.9520%まで上昇していた。
米労働省が発表した14日終了週の新規失業保険申請件数(季節調整済み)は前週比1万8000件減の23万4000件となり、労働市場の底堅さが示されたものの、市場予想の22万5000件は上回った。[nL4N28T3O0]
ブリン・マウアーの債券部門ディレクター、ジェームズ・バーンズ氏は「通商問題や世界的な中央銀行の政策がこのところ市場の焦点となっていたが、新規失業保険申請件数の発表を受け、朝方の取引でこうした焦点が削がれた」と指摘。新規失業保険申請件数の発表を受け、国債利回りは低下に転じた。
ただムニューシン米財務長官がこの日、米中が来年1月初旬に「第1段階」の通商合意に署名すると述べたことで、市場心理が全般的に良好な状態は維持された。[nL4N28T3V1]
2年債と10年債の利回り格差は 一時は31bpと、2018年10月以来の水準に拡大した。ただ中盤の取引で28.6bpと、前日終盤の28.4bpをやや上回る水準にとどまっている。
<株式> 主要株価3指数が最高値を更新して取引を終えた。ムニューシン米財務長官が米中の「第1段階」の通商合意について、来年1月初旬に署名すると述べたことが好感された。
S&P総合500種 (SPX)は取引時間中の最高値を6営業日連続で更新、2018年1月以来最長を記録した。
ナスダック総合 (IXIC)は7営業日続伸。3指数はいずれも終値ベースでも最高値を更新した。
ムニューシン長官の発言を受け、前週の「第1段階」通商合意発表を受けて広がっていた楽観ムードが一段と高まった。
長官は19日、CNBCのインタビューで、通商合意は完了していると強調。すでに文書化かつ翻訳されており、これ以上の交渉はないと語った。[nL4N28T3V1]
市場アナリストは、長官発言を受け、米中の対立で通商合意の署名が再び不透明になる可能性への懸念が緩和されたと指摘している。
この日発表された米指標も強い内容となり、楽観ムードを押し上げた。米労働省発表の14日終了週新規失業保険申請件数は前週比1万8000件減の23万4000件と労働市場の底堅さを示した。[nL4N28T3O0]
市場は、トランプ大統領の弾劾訴追には反応薄。下院は18日の本会議でトランプ大統領のウクライナ疑惑を巡る弾劾訴追決議案を賛成多数で可決したが、共和党が多数派の上院での弾劾裁判でトランプ氏が罷免される可能性はない見込み。[nL4N28T0JB]
<金先物> 新規の手掛かり材料不足から持ち高調整中心のレンジ取引となる中、反発した。中心限月2月物の清算値は、前日比5.70ドル(0.39%)高の1オンス=1484.40ドル。
<米原油先物> 需給引き締まり期待を背景に買いが優勢となり、上伸した。この日納会を迎えた米国産標準油種WTI1月物の清算値は、前日比0.29ドル(0.48%)高の1バレル=61.22ドル。中心限月としては、9月16日(62.90ドル)以来約3カ月ぶりの高値水準となった。2月物の清算値は0.33ドル高の61.18ドル。
ドル/円 NY終値 109.37/109.38
始値 109.46
高値 109.51
安値 109.19
ユーロ/ドル NY終値 1.1120/1.1124
始値 1.1126 (EUR=)
高値 1.1132
安値 1.1108
米東部時間
30年債(指標銘柄) 17時05分 100*14.50 2.3538% (US30YT=RR)
前営業日終値 100*16.50 2.3510%
10年債(指標銘柄) 17時04分 98*14.50 1.9222% (US10YT=RR)
前営業日終値 98*14.00 1.9240%
5年債(指標銘柄) 17時05分 98*28.50 1.7350% (US5YT=RR)
前営業日終値 98*28.00 1.7380%
2年債(指標銘柄) 17時05分 99*24.00 1.6309% (US2YT=RR)
前営業日終値 99*23.88 1.6330%
終値 前日比 %
ダウ工業株30種 28376.96 +137.68 +0.49 (DJI)
前営業日終値 28239.28
ナスダック総合 8887.22 +59.48 +0.67 (IXIC)
前営業日終値 8827.74
S&P総合500種 3205.37 +14.23 +0.45 (SPX)
前営業日終値 3191.14
COMEX金 2月限 1484.4 +5.7
前営業日終値 1478.7
COMEX銀 3月限 1715.4 +10.5
前営業日終値 1704.9
北海ブレント 2月限 66.54 +0.37 (LCOc1)
前営業日終値 66.17
米WTI先物 2月限 61.18 +0.33 (CLc1)
前営業日終値 60.85
CRB商品指数 185.1253 +0.1613 (TRCCRB)
前営業日終値 184.9640
(※関連情報やアプリは画面右側にある「関連コンテンツ」メニューからご覧ください) OLJPBUS Reuters Japan Online Report Business News 20191219T230415+0000